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Sahasra 50000が適する用途は,データ転送速度が100Mビット/秒以上で,かつ大容量のルーティング処理を要する場合である。(図:Cypress Semiconductor社の資料を基に本誌が作成)
Sahasra 50000が適する用途は,データ転送速度が100Mビット/秒以上で,かつ大容量のルーティング処理を要する場合である。(図:Cypress Semiconductor社の資料を基に本誌が作成)
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 米Cypress Semiconductor Corp.は,ルータ装置やスイッチ装置で使うネットワーク・サーチ・エンジン(NSE:network search engine)を現行に比べて低価格かつ低消費電力で構成する技術を開発し,これを実装したネットワーク・サーチ・エンジンLSI「Sahasra 50000」を製品化する。Sahasra 50000は1チップで2.5億回/秒の検索(250Msps:mega-search per second)が可能。現行品で同等の性能を得るには,18Mビットを内蔵する連想メモリ(CAM:content addressable memory)を4個用意する必要がある。これをSahasra 50000に置き換えれば,部品コストは1/2~1/4,消費電力は1/10程度にできるという。Cypress Semiconductor社は「ネットワーク・サーチ・エンジンのテーブル・エントリ数が100万件を超える高速・大容量の用途で,現行の構成に比べて利点が生まれる」(同社, Data Communications Division, Sr. Product Marketing ManagerのGangesh Ganesan氏)として,基幹網のルータやL3スイッチ(第3層スイッチ),ブレード・サーバ,DSLAMなどに展開する。

 ネットワーク装置では通常,データ・パケットのルーティングやQoS制御,アクセス制限といったパケット処理を実行する。こうした処理を行う上で,所望のパケットを選り分ける検索機能を担うのがネットワーク・サーチ・エンジンだ。データ・パケットの識別子に対して,あらかじめ登録しておいた識別子群の中から一致するものを1クロックで抽出する。ネットワーク・サーチ・エンジンは当初,基幹網のルータなど高いパケット処理能力を必要とする用途で使われるだけだったが,現在ではL3スイッチやDSLAM,ブレード・サーバなど用途を広げているという。

 Sahasra 50000は,検索アルゴリズムをパイプライン動作で実行するようにLSIへ実装した。これが1チップで250Mspsもの検索性能を実現する決め手となった。現行のネットワーク・サーチ・エンジンでは,検索アルゴリズムをパラレル方式で動作させている。パイプライン動作を採用したことで,検索処理の際に用意するメモリ容量を削減できる。なお中性子に起因するソフト・エラーを回避するために,誤り訂正符号(ECC:error collecting cord)を組み込んだ。

 250Mspsの検索性能を実現する際の動作周波数は250MHz,消費電力は標準5Wである。価格は300米ドル程度。130nmルールのCMOS技術で製造し,製造委託先は台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.(TSMC)である。既にサンプル品と開発ボードの提供を始めている。LSIの量産は2005年6月から始める予定。

18Mビットを内蔵する連想メモリ(CAM)4個で構成するネットワーク・サーチ・エンジンの機能を,Sahasra 50000は1チップで担う。(図:Cypress Semiconductor社)
18Mビットを内蔵する連想メモリ(CAM)4個で構成するネットワーク・サーチ・エンジンの機能を,Sahasra 50000は1チップで担う。(図:Cypress Semiconductor社)
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