エンジニアス・ジャパン(本社横浜市)は2005年3月1日,製造業向け協調設計システムの新バージョン「FIPER 1.6」の国内出荷を開始した。パイロットユーザーの要求を取り入れ,日本を含むアジア圏を視野に入れたダブルバイトコードのサポート,グリッド・コンピューティング環境への対応などを実施した。
FIPER 1.6の主なポイントは(1)ダブルバイトコードのサポート(2)Webベースのインタフェース「FIPER WebTop」の搭載(3)グリッド・コンピューティング環境への対応強化(4)可視化機能の拡張(5)Linux対応——など。価格は,年間ライセンスで850万円(10クライアント・ライセンス)からだ。
FIPER内でさまざまなダブルバイトコードを使用できるようにするため,i18Nに準拠。また,異なるプラットフォーム間などで必要となるコード変換も自動化できるようになった。また,FIPER 1.0がクライアント/サーバ型であるのに対して,FIPER WebTopを搭載したFIPER 1.6ではWebベースのシステムを構築できる。FIPER WebTopをカスタマイズするAPI「EZAPi」も提供する。
グリッド・コンピューティング環境への対応では,Platform Computing社のLSF用インタフェース「DRM-LSF」を追加した。LSFを使用したジョブ制御が可能となり,分散コンピューティング性能が向上する。可視化機能の拡張では,リアルタイムおよびポスト処理の結果を分かりやすく可視化する,テーブルやグラフの作成・表示機能が加わっている。
FIPERは,米連邦標準技術局(NIST)の先端技術プロジェクトとして,世界中のベンダーやユーザーが参加するコンソーシアムで開発された。エンジニアスは,FIPERの中核技術を提供していることから,商品化に関するすべての権利を保有し,商用版を提供している。