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図1 日本信号が展示したUHF帯対応リーダー/ライター
図1 日本信号が展示したUHF帯対応リーダー/ライター
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図2 パナソニック コミュニケーションズが展示したリーダー/ライター
図2 パナソニック コミュニケーションズが展示したリーダー/ライター
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図3 デンソーウェーブが展示したUHF帯対応リーダー/ライター
図3 デンソーウェーブが展示したUHF帯対応リーダー/ライター
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 2005年3月1日から東京ビッグサイトで始まった展示会「IC CARD WORLD 2005」で,UHF帯(950MHz~956MHz)に対応した無線タグ(RFIDタグ)向けリーダー/ライターを展示するメーカーが相次いだ。通信距離でみると,数十cmの13.56MHz帯や同1m程度の2.45GHz帯に比べてUHF帯は数m以上を見込めるため,物流用途などで期待を集めている。

 UHF帯の利用をめぐって2004年末に総務省が答申を出したことから,ここに来て各社が一斉に製品を展示した格好である。無線タグのUHF帯利用は隣接する周波数帯を使う携帯電話機と干渉する恐れがあり問題視されていたが,免許を必要とする高出力タイプについては950MHz~956MHzのうち中央の2MHzを通信に使用し,両側の各2MHzについてはガードバンドとするということで決着している。

 今回,製品を見せたのは,日本信号やパナソニック コミュニケーションズ,デンソーウェーブなどである。日本信号が展示したリーダー/ライターの送信出力は500mWで読み取り可能な距離は最大約3mである(図1。書き込み時の距離は現在,評価中という。米EPCglobal,Inc.が定めた無線タグの規格 Calss1に対応する。Class 1とは電池を搭載しない無線タグ,いわゆるパッシブ・タグのうち1回だけのデータの書き込みが可能なタグのことである。

 パナソニック コミュニケーションズが展示したUHF帯対応リーダー/ライターは送信出力が7Wで,通信距離は読み取り時で7m,書き込み時で約5m(図2)。送信アンテナと受信アンテナをそれぞれ4機接続できる。各送受信アンテナの制御についてはこれから詳細を詰めるとする。対応する無線タグの規格はGeneration 2で,Classについては明らかにしていない。Generation 2では無線タグとリーダー/ライターの通信手順を定めている。このほか,デンソーウェーブの展示品は送信出力が1Wで,通信距離は読み取り時で約5m,書き込み時で約4mとする。送信アンテナと受信アンテナを2機ずつ接続できる(図3)。

 いずれのメーカーも2005年10月~11月ころに製品出荷を予定しているという。