安川電機は,小容量風水力市場向けに可変速同期モータドライブ「Varispeed V7 pico」を開発した(図)。小型高効率センサレス同期モータと専用簡易ベクトル制御インバータを組み合わせて小型化した。2005年3月21日にサンプル出荷を開始,同年5月21日に販売を始める。標準価格は,200V 0.75kW用のモータが9万円,インバータが8万5000円。2005年度は2500台/月,206年度は5000台/月の販売を計画している。
同期モータに高性能希土類磁石を採用することで,3.7kWの同社製誘導モータと比べて体積を67%,質量を55%削減した。同時に,高効率モータとインバータによる最適効率制御によって,NEMA規格の高効率モータのインバータドライブより約4%効率を上げて,省エネ化を図った。
短絡電流を考慮した設計により,インバータ故障による磁石減磁を防止する。モータ軸電圧を一般的な誘導モータの約1/3に低減することで,インバータ駆動時の軸受損傷を防ぐ。更に,全閉ファンレスモータ構造にすることで,騒音を減らした。
そのほかには,定数をコピーする機能,冷却ファンのON/OFF制御やワンタッチ交換,圧力や流量,温度などを自動制御するPID機能,過トルク/低トルク検出機能などを搭載。ビル空調用エアーハンドリングユニットの小型ファン,給水ポンプや油圧ポンプなどの小型ポンプなど,起動トルク50%以下の小型流体機械や回転体機械での使用に向く。