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 公正取引委員会は2005年3月8日,パソコン用マイクロプロセサの販売活動に際して独占禁止法に違反する行為があったとして,米Intel Corp.の日本法人であるインテルに対し,排除勧告を実施したと発表した。インテルがパソコン・メーカーにマイクロプロセサを販売する際,競合他社のマイクロプロセサを採用しないことを条件に値下げを提示していたと認定している(勧告書の全文:PDF形式)。

 勧告によると,インテルが国内のパソコン・メーカー5社に対してマイクロプロセサを販売する際,納入先メーカーのパソコンに搭載するマイクロプロセサのシェアに言及。(1)インテル製品を100%採用し,他社製品を一切採用しない,(2)個数ベースでインテル製品の採用率を90%,他社製品の採用率を10%とする,(3)納入先メーカーの主力機種に関して,インテル製品の採用率を100%とする,という3種類の条件を提示した。納入先メーカーがこの条件を満たした場合,インテルから納入先メーカーに対し,「割り戻し」や「資金提供」という形で実質的な値下げを実施していた。

 インテルがこうした手法で販売活動を始めたのは2002年5月ころ。公正取引委員会によると,米Advanced Micro Devices, Inc.(AMD)や米Transmeta Corp.といった競合メーカーのマイクロプロセサが占める個数ベースのシェアは,2002年通年で24%であった。インテルが上記の販売活動を始めた後,2003年には競合メーカーのシェアが11%まで低下した。

 公正取引委員会は,インテルの販売活動が競合メーカーの事業を排除するものであると認定している。その上でインテルに対し,競合メーカーを排除するような販売活動を取りやめ,従業員と納入先メーカーに周知すること,こうした販売活動が再発しないよう研修や監査を実施することを求めている。

 インテルは今回の勧告を受けてコメントを発表した(コメントの全文)。同社はマイクロプロセサの販売活動について「ユーザー企業の要求に従った上で,購入製品と数量に応じた値引きは実施しているが,これは通常の経済原理に基づいたもの。価格の引き上げや出荷個数の制限など,消費者の不利益になるような販売活動は実施していない」(インテル 広報部)と反論,「競争当局は,消費者が不利益を被る証拠がある場合のみ介在するのが原則。今回の勧告はこうした原則を考慮していない」と主張している。

 ただし,公正取引委員会が指摘するような他社製品の排除行為,値下げ行為の有無については「勧告の内容について精査している段階なので,詳細はコメントできない」(インテル 広報部)として回答を避けている。今回の勧告の諾否期限は3月18日。インテルが排除勧告に応じない場合は,審判に移行して内容を調査する。