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DesignStartサービスのフローの例 最初に申し込む際には,簡単な審査がある。競合やSiファウンドリの参加をチェックするためという。レイアウト設計と製造は有償のライセンスが必要。ARMのデータ。
DesignStartサービスのフローの例 最初に申し込む際には,簡単な審査がある。競合やSiファウンドリの参加をチェックするためという。レイアウト設計と製造は有償のライセンスが必要。ARMのデータ。
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 英ARM Ltd.は,ファブレス半導体メーカーを主なターゲットとして,「DesignStart」と名付けた新サービスを実施する(ニュース・リリース同日本語訳)。ARMはライセンス管理の厳しい会社として知られている。ARMコアをベースにしたSoCを開発したいと思う,新興のファブレス半導体メーカーがあっても,ライセンス料や取得の手間が壁となり,なかなか実現しなかった。今回のサービスでは,同社のWWWサイトに登録すれば,制限はあるものの,論理設計と検証までは無償で試せる。ARMが買収した(Tech-On!関連記事)回路ライブラリ・プロバイダ,旧・米Artisan components, Inc.(現在はPhysical IP Division。以下PIPD)のWWWサービスの仕組みを活用する。

 日本法人のアームによれば,新規にラインセンスを取得するには6カ月間程度かかる。またそろえる書類の数も多く,ライセンス取得は大仕事である。今回のサービスを利用すると,論理設計/検証を行っている範囲では,ライセンスの取得は不要である。それでOKと判断してレイアウト設計に進む時点まで,ARMとのライセンス契約を先延ばしできる(もちろん,途中で止めてライセンス契約しないこともあり得る)。有償のライセンスを取得すれば,製造も可能になる。なお現時点ではシャトル・サービスを使った試作目的でも,有償のライセンス契約が必要となる。

 今回のサービスで入手したプロセサ・コアのモデルと,PIPDが従来から提供している無償の回路ライブラリを使うことで,複数のSiファウンドリのプロセスを前提にして,ARMコア・ベースのSoCの論理設計・検証を遅延時間込みで実施できる。最初にDesignStartの対象となるプロセサ・コアは,ARM7TDMIである。また対象とするプロセスは,台湾TSMCと台湾UMC,中国SMIC,シンガポールCharteredのいずれも0.18μmのGプロセスである。2005年第2四半期中には,その他のファウンダリの0.18μmプロセスも対象となる予定。また,2005年第3四半期には0.13μmプロセスを対象にしたサービスも開始する計画となっている。時期は未定だが,他のプロセサ・コアにもこのサービスは展開される予定。

 今回のサービスで提供されるものは,当該プロセサ・コアの遅延時間情報や論理機能モデル。論理機能モデルは,C言語モデルにVHDLまたはVerilog-HDLのラッパがかかっているもので,論理合成可能なRTLデータではない。命令トレースができない,レジスタのトレースができない,シミュレーションできるサイクル数に上限があるといった制限がある。論理シミュレータや設計入力編集用のエディタはユーザーが用意する。

 アームによれば,北米,アジア,日本,欧州という地域ごとに1四半期当たり,20のDesignStartサービスの利用を見込む。「そのうちの1割が製造できる有償のライセンスを取ることを期待している」(取締役,デザイン・エンジニアリング・グループ,エンジニアリング・ディレクターの渡辺信久氏)。