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 NTTサイバースペース研究所は,端末の種類や回線状況に応じて映像の圧縮率を変える「ビットレートスケーラブル符号化配信」を実演した。情報通信研究機構(NICT)と共同で研究・開発しているものだ。同技術を使えば,パソコンや携帯機器など複数種類の端末に映像を配信する場合でも映像を配信する事業者は単一のコンテンツを保有しておけばよく,ストレージ容量を削減できる。

 この符号化技術は,現行の動画向けのMPEG-4規格(MPEG-4 part2)の追補として,「FGS(fine granularity scalability)」という名称で規定されている。同研究所の実演は,このFGS規格を実装したものである。映像配信サーバと受信端末との間に,FGSに対応した符号化を行う「チャネル・サーバ」を置くことで実現する。回線速度や込み具合などをチャネル・サーバと端末の間でやりとりすることにより,チャネル・サーバは符号化データ速度を変化させる。今回の実演では,SDTV映像を符号化する際に1.2Mビット/秒~8Mビット/秒まで変えられることを示した。

 FGSは,現時点ではほとんど実装が進んでいない。これは,動的な可変機能がない圧縮方式に比べて画質が劣るためと言われている。そこで,動画圧縮の標準化作業を行うMPEGでは,H.264/MPEG-4 AVC並みの画質を実現する「MPEG-4 SVC」の標準化に着手している。ドイツHeinrich-Hertz-Institut(HHI)の提案を基に,規格が検討されている。

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