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 santecはPON(passive optical network)型のFTTH(fiber to the home)の室内装置に向けた誘電体多層膜光フィルタ部品を発売した。中心波長1550nmでの反射アイソレーション(透過光と反射光の比)は35dB以上である。従来品は20dBで,同性能を得るには2枚のフィルタが必要だったという。

 PONシステムで映像とインターネット,電話のトリプル・プレイ・サービスを提供する場合,上りと下りのデータ信号(インターネットや通信に利用),映像信号はそれぞれ異なる波長の光を利用するケースがある。例えば上りのデータ信号用に1330nm,同下りに1550nm,下りの映像信号用に1490nmを割り当てる。

 今回の誘電体多層膜光フィルタ部品は,受信する2つの波長のうち映像信号用の波長は反射させ,データ信号用の波長は透過させることで,それぞれの波長の光を分波するPONフィルタとして利用する。映像はアナログ信号のため雑音に弱く,下りのデータ信号よりも通常約10倍高い出力で送信する。光を電気信号に変換する際,一部フィルタで反射したデータ信号が映像信号の雑音とならないようにするためには,35dB以上の反射アイソレーションが必要という。

 今回発表されたフィルタは,フィルタ膜,平行平面なガラス基板,ARコーティングで構成する。PONフィルタを透過する直前には,光をファイバから空間に放出する。従来品を使って,複数枚を組み合わせると,光軸を合わせる必要がある。今回の製品ではその負担が減り,2枚組み合わせる場合より33%のコストダウンが可能という。

 フィルタ膜形成にはイオン・ビーム・スパッタ法を使用している。他の方式に比べて,基板に膜を強固に付着できる,膜の積層数を高精度で制御できるなどの利点があるという。CADでシミュレーションし,膜厚をモニタしながら,イオン・スパッタ装置を制御する。使用したイオンスパッタ装置と,膜厚をモニタする技術はsantecの独自のものを使う。同様の方式により反射減衰量が50dBというARコーティングも実現でき,フィルタ内での反射が抑えることが可能となった。