PR

 米Microsoft Corp.は,研究開発部門のMicrosoft Research(MSR)が生み出した知的財産の一部を外部企業に提供する目的で専門組織を立ち上げた。「Microsoft Intellectual Property(IP)Ventures」と呼ぶ(発表資料)。

 これは,2003年12月に同社が発表した知的財産の積極的なライセンスを行う方針に沿ったもので(日経エレクトロニクス関連記事 ),従来に比べて対象範囲を拡大したのが今回のポイントである。これまでは,Microsoft社が以前から保有していた,いわば古参特許を大手企業にライセンスするのが主な狙いだった。しかし今回のMicrosoft IP Venturesは,MSRが開発した最新の技術をベンチャー企業に提供することを狙っている。

 「MSRが開発した技術の中には,自社製品には使わなかったり,ほかの分野で役に立つものがある。こうした技術をMicrosoft IP Venturesを通して広く提供することに決めた」(同社のIP Ventures Program担当Senior DirectorであるDavid Harnett氏)。提供先としてはベンチャー企業に限っているわけではなく,大手企業にもライセンスする可能性はあるという。

当初は20件の技術を提供

 現在,Microsoft IP VenturesのWWWサイトには,外部に提供する20件の技術リストが示されている(リストのページ)。例えば,スピーカの特性に合わせて音質を向上するアルゴリズム「Audio Correction Algorithms for Speakers」や,SDTV画質のアナログ・テレビ放送波に最大6.4kビット/秒のデータを多重できる「Horizontal Overscan: Brodcasting synchronized data in an analog television signal」,利用できるデータ伝送速度に応じて画像の画素数を自動変更する「Microsoft Portrait: Mobile Video Communication」などがある。「Audio Correction Algorithms for SpeakersのアルゴリズムをLSIに組み込めば,低価格のスピーカをハイエンド・スピーカ並みの音質で鳴らすことができる。これには,あるベンチャー企業が興味を示してくれている」(Harnett氏)。

 Harnett氏によると,Microsoft IP Venturesが技術を提供する条件は個別交渉になる。その際,一般にベンチャー企業の収入や手元資金が少ないことを考慮し,技術提供の代償としてベンチャー企業の株を受け取る方法もあるという。