シャープは「女性社員の戦力化プログラム」と銘打ち,2005年6月から女性社員の人材育成に力を入れることを発表した。同社では,女性社員の採用について一般職/総合職の区別はないにも関わらず,女性社員本人や周囲に「女性は補助」という意識も場合によってはあったようだ。これではせっかくの人材を戦力として生かしきれず,企業として最大限の効果が得られないとして,今回のプログラム実施に踏み切ったという。

 施策は大まかに2つに分けることができる。1つは女性社員の在籍部門の拡大である。現在,女性を重点的に配置している部門は22だが,CS部門など手薄な部門へと広げ,2005年度末には50部門にしたいという。

 もう1つの施策として,女性管理職比率向上のための人材育成を行っていく。まずは多くの一般女性社員にリーダー経験を積ませるため,生産効率の向上などを目的として活動する小集団活動のリーダーへの登用を増やす。リーダーは意見の取りまとめや集団の統率を行う。現在は社内に2700程度の小集団があり,女性リーダーは 131名である。2005年度末には250名への拡大を目標とする。女性リーダーの登用により,周囲の意識を変えることを狙う。

 リーダー経験を積ませるなど素地を整えた上で,女性の準管理職(主事)や管理職を増やすとしている。準管理職は現在全女性社員の17.3%だが,2007年度末には25%にしたいという。女性管理職は現状の21名から2007年度末までに60名にすることを目指す。ただし「実力を重視する。該当者がいなければ目標人数に達しない可能性もある。」(同社 広報)としている。女性社員が「私の仕事はここまで」と仕事に対して安住することが減り,全体としても競争力が付くことを期待する。

 こうした動きはシャープに限った話ではないようだ。内閣府が2004年11月に行った調査では,「子どもができても,ずっと職業を続ける方がよい」との回答が増加の一途をたどり40.4%となるなど,女性の社会進出を望む声は以前にも増して増えている。こうした世論に加えて,少子化対策として男女問わず社員が仕事と家庭を両立できるように環境を整備するなどの協力を求める「次世代育成支援対策推進法」が2005年4月から施行された影響もあると見られる。