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「ゲーム機が家族の誰かに敵視されているならば,どれだけ普及するのか疑問」と岩田氏。手にしているのは開発中の「ゲームボーイミクロ」
「ゲーム機が家族の誰かに敵視されているならば,どれだけ普及するのか疑問」と岩田氏。手にしているのは開発中の「ゲームボーイミクロ」
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 「各家庭は,ゲームをする人としない人が一緒に暮らす。個人的には,今のゲーム機が家族の誰かに敵視されていないかと気になっている。テレビ・ゲームが好きな人はともかく,たとえば母親を敵にした状態で,新たなゲーム機がどれだけ普及するのか疑問だ。『Revolution』では,家族それぞれが興味を持つような用途を提案していく。ゲーム機が好きな人だけではなく,家族全員に受け入れてもらえるようにしたい。これが実現すれば,革命的なパラダイム・シフトになると思う---」。

 任天堂 代表取締役社長の岩田聡氏(Tech-On! 関連記事1)は,2006年に発売予定の据置型ゲーム機「Revolution」(開発コード名)で想定しているコンセプトをこのように示した。2005年6月7日に開催した経営方針説明会で明らかにした(関連記事2関連記事3関連記事4)。

Revolutionをパソコン経由で簡単にネット接続

 この日の説明会では,上記のコンセプトの一環としてRevolutionの無線LAN設定を簡単にするためのアイデアを披露した。具体的には,パソコンのUSBポートに差し込むタイプの無線LANモジュールなどを提供することを検討している。パソコンがインターネットに接続されていれば,そのパソコンを経由することで複雑な設定をせずにRevolutionをインターネットに接続可能にできるという。

 同社の携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS(Nintendo DS)」用ソフトウエアをインターネット経由でRevolutionへダウンロードし,そこからさらにニンテンドーDSへ転送するといった使い方も検討しているという。ニンテンドーDSへのソフトウエアのダウンロードは現在も可能だが,ダウンロード可能な場所は小売店の店頭などに限られている。

 このほかRevolution関係では,本体に内蔵する容量512MバイトのフラッシュEEPROMについても触れた。「ファミリーコンピュータ」や「スーパーファミコン」など,同社の過去の据置型ゲーム機のエミュレーションを担うソフトウエアを格納したり,Revolutionの機能を拡張するソフトウエアをダウンロードして保管したりといった使い方を想定している。

 ストレージとしてハード・ディスク装置(HDD)を採用することについては,「Revolutionでは見送ったものの,時期,調達コスト,信頼性次第で将来据置型ゲーム機に搭載する可能性はあると思う。携帯型ゲーム機の場合,まだ技術的なハードルがあると思う。たとえば5歳の子供が使う機械に入れた場合,落としてゲームのデータが消えてしまうことが許容されるだろうか」(岩田氏)とした。

開発環境を変えず,開発者の負担を軽減

 説明会では,ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)や米Microsoft Corp.など競合他社が開発中の据置型ゲーム機を意識した発言もあった。任天堂 代表取締役専務の宮本茂氏は,ゲーム開発者の見地から新型ゲーム機について触れ,「ゲーム機の進化=エンタテインメントの進化ではない。ハードウエアの性能アップは,ゲーム・プランナにとっては必ずしも開発意欲の喚起につながらない。性能の向上をもってアピールできる時代は終わりにきていると思う」と指摘した。

 さらに,Revolutionのソフトウエア開発環境が従来機「ニンテンドー ゲームキューブ」と同じであることに触れ,「当社も他社も,従来はゲーム機が変わるたびに開発環境が変わっており,開発者の負担となっていた。他社は今回も,すべて開発環境を変更しているが,開発環境を変更しないというのは開発者にとってメリットが大きいと思う」と述べた。

ゲームボーイミクロ,「人前で遊んでも恥ずかしくない質感」

 携帯型ゲーム機関連では,2005年秋に発売予定の「ゲームボーイミクロ(「Game Boy Micro」)」について触れた。同製品は現行製品「ゲームボーイアドバンス(Game Boy Advance)」と同等の機能・性能を備えつつ,筐体を小型にしたものである(関連記事5関連記事6)。「現行の携帯型ゲーム機では,『人前で遊ぶのが恥ずかしい』と思う大人もいた。そうした人たちをユーザー層に加えられるよう,任天堂の携帯型ゲーム機として初めて金属製の筐体を採用し質感を持たせた。ただし,小さいからといって安売りしようとは思わない」(岩田氏)。

 ニンテンドーDSについては,「nintendogs」や「脳を鍛える大人のDSトレーニング」といった対応ソフトウエアが,ユーザー層の開拓に役立っていると強調した。「『nintendogs』を初めて遊ぶ大学生はもちろん,テレビ・ゲームと全く無縁であった高齢者が孫と一緒に楽しむといった事例も多くみられた。販売価格は1万5000円と任天堂の携帯型ゲーム機で最も高額だが,発売以来の半年間に,日本国内で250万台を販売した」(岩田氏)と胸を張った。

ニンテンドーDSの無線LAN,「対応ソフト購入者の9割に使ってもらう」

 今後は,熟練したゲーマー層の満足を得られるソフトウエアと,ユーザー層の拡大につながる新しい機軸のソフトウエアをバランスよく投入していく方針としている。また,ニンテンドーDSの備える無線LAN機能について,「購入者の9割以上に,最低でも一度は体験してもらうことを目指す」(岩田氏)と宣言した。

 このため,(1)無償のアクセス・ポイントを2005年内に販売店など全国で1000カ所に設置する,(2)無線LAN接続に関わる月額使用料などを徴収しない,(3)接続対象を友人のみに制限する機能を提供する,(4)任天堂から無線LAN機能対応ソフトウエア「マリオカートDS」「どうぶつの森」を2005年中に発売する,(5)賛同を得たソフトウエア・メーカー25社から対応ソフトウエアを発売してもらう,といった取り組みをする。