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 「新三種の神器」の1つである薄型テレビは,国内向けに限ると,液晶テレビの生産額が2004年に直視型CRTテレビ(以下CRTテレビ)を抜き,2005年には台数でも上回ることが確実である。しかし,世界規模で見ると液晶テレビとPDPテレビを合わせても,構成比は1割に届かない(図1)。テレビ市場の大きさを考えると,これからの市場である。

図1●テレビの方式別世界生産台数の推移と薄型テレビの構成比

2005年,液晶テレビ市場は生産過剰に

 2004年の世界市場を見ると,下期に液晶パネルの価格が半値近くに暴落,その結果,30インチ型超でも,普及の目安と言われた「1インチ型当たり1万円」を切る販売価格が実現し,年末商戦で,テレビ・メーカーの期待を下回ったとはいえ,対前年比倍増以上の成長を遂げた(本連載,第6回参照)。

 2005年も液晶テレビ需要は対前年比倍増に迫る勢いで拡大する。本連載でも再三述べた通り,こうした成長市場では,メーカー各社がシェア拡大を狙って強気の生産計画を立てる。韓国や台湾の液晶パネル・メーカーで大型ラインが本格稼働期を迎えることもあり,現時点でテレビ・メーカー各社の計画を積み上げると軽く2000万台を超える。明らかに生産過剰である。

 日経マーケット・アクセスは需要をベースにやや堅めに見積もって2005年の液晶テレビ世界生産台数を1293万台と予測したが,単価下落幅をやや大きめに見ても,1400万台程度だろう。どこかで生産調整が入るはずだ。

 タイミングを占うのは難しいが,液晶テレビ・メーカーには大きく2つの戦略がある。思い切った低価格戦略で需要拡大を図る道を選びそうなのは,韓国や台湾のメーカー。32インチ型クラスの液晶テレビを1500~1800米ドル程度で販売する可能性は高い。一方,30インチ型以上の市場で,シャープやソニーなどの有名ブランド・メーカーは,高精細化に代表される高付加価値化,大画面化で,価格維持に努めるだろう。この2つに対する市場の反応が2005年の生産台数を左右する。

液晶テレビ・メーカーのシェア,2005年はソニーが単独2位に

 ディスプレイ関連の市場を調査しているテクノ・システム・リサーチ(TSR)は,2005年3月に実施した日経マーケット・アクセス主催のセミナー「デバイスから見たデジタル家電市場」で,液晶テレビ・メーカーのシェアを明らかにした。液晶テレビはシャープが2004年の段階では28.6%とトップだったが,2位以下のメーカーの生産台数の伸びが大きく,同社のシェアは低下傾向にある。2005年には20%近くまで下がると言う。2005年にシェアを大きく伸ばす可能性が高いのはソニーである。ソニーは2004年に韓国Samsung Electronics Co., Ltd.や松下電器産業,オランダRoyal Philips Electronics社などと並んで2位グループを形成していたが,2005年は完全に抜け出し,シャープにどこまで迫るかが注目される。