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中国の携帯電話向けインターネット・サービス利用者数は2005年末に9000万人に達する見込み。日本を抜き世界第1位となる。
中国の携帯電話向けインターネット・サービス利用者数は2005年末に9000万人に達する見込み。日本を抜き世界第1位となる。
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携帯電話向けコンテンツ市場も2010年には日本をしのぐ規模に拡大する可能性がある。
携帯電話向けコンテンツ市場も2010年には日本をしのぐ規模に拡大する可能性がある。
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内陸部の市場が急成長し,2010年には北京や上海を含む沿岸部とほぼ同じ規模に。
内陸部の市場が急成長し,2010年には北京や上海を含む沿岸部とほぼ同じ規模に。
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大手キャリア3社の売上高の合計は,2007年にはNTTドコモを抜く見込み。
大手キャリア3社の売上高の合計は,2007年にはNTTドコモを抜く見込み。
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2010年以降は中国が携帯電話のトレンドの発信地になる。
2010年以降は中国が携帯電話のトレンドの発信地になる。
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 「中国の携帯電話向けインターネット・サービスの利用者数は2005年に9000万人を突破し,日本を抜き世界第1位に躍り出る」。野村総合研究所は,情報通信産業や関連産業についての将来予測を発表するセミナー「ITアウトルック2010」でこのような推計を示した。

 2004年末時点での中国の携帯電話向けインターネット・サービス利用者数は約4200万人。2003年時点と比べると,わずか1年間で4倍強に拡大した。2005年はモバイル・インターネットの需要が本格化しており,年内に利用者数は2004年の2倍強となる9000万人に達する見込みである。日本での利用者数は2005年末時点で約8600万人と予測されることから,この試算では中国の利用者数は日本を抜き世界第1位になる。携帯電話の利用者数は既に2002年の時点で中国が世界第1位の座についている。

 2005年時点で中国の携帯電話市場の規模は約4兆円である。これは8兆6000億円の市場を持つ日本の約半分であるが,携帯電話市場がほぼ飽和している日本では今後横バイもしくは微減傾向が続く可能性が高い。これに対し,中国市場は拡大を続け2010年には5兆7000億円に達すると予測される。携帯電話向けコンテンツ市場も,2005年時点では770億円と日本の約3割だが,2010年には約3700億円と日本をしのぐ市場に膨らむ見込みである。

伸びしろは通信インフラが未発達の「内陸部」

 中国の携帯電話市場には,今後の成長を裏付ける「伸びしろ」が本当にあるのか。この点について野村総研が着目したのは,内陸部の需要である。中国市場を発展が進んでいる沿岸部と発展途上の内陸部に分けて考えると,2005年時点での携帯電話機の普及率は,沿岸部の約4割に対して内陸部は約2割と半分である。内陸部にもかなりの人口が分布しているので,今後,内陸部で携帯電話機の普及率が高まれば,2007年ころには内陸部の利用者数が沿岸部の利用者数を抜く可能性がある。

 内陸部は人口一人当たりの可処分所得でみると沿岸部よりも少ない。しかし,携帯電話の需要の伸びは沿岸部よりもむしろ高いという。その理由について野村総研は「内陸部は固定電話のインフラが発達していない。新たに通信インフラを構築するという場合に,携帯電話はコストの面で固定電話より有利になる」ことを挙げる。この結果,市場規模の面でも2010年には内陸部が2兆8000億円と,2005年の3兆円からほぼ横バイの沿岸部ときっ抗するレベルに達する見込みである。

2007年に大手キャリア3社でNTTドコモを抜く

 携帯電話事業者の売上高も,日本を猛追している。現在,中国の携帯電話事業は,China Mobile Communications Corp.とCHINA UNITED TELECOMMUNICATIONS CORP.の2社による寡占状態にある。第3世代機の普及が加速する2006年以降,これにChina Telecom Corp.が加わり,2007年にはこれら3社の売上高の合計がその時点でのNTTドコモの売上高を上回る見込みである。

 携帯電話事業者の事業形態は,日本と中国では異なる点がある。そのうち最も大きな違いは,携帯電話事業者が端末の小売業者に対して支払う「インセンティブ」が,日本では一般的であるのに対して中国では規制されている点である。端末の小売業者は携帯電話機メーカーから直接端末を購入して販売するため,携帯電話の利用者は日本のように小売店で大幅な割引を受けられない。このため,一般に携帯電話機の購入は高くつく。それでも,利用者の購入意欲は日本に比べても旺盛であるという。その理由は,かつて日本で消費者がパソコンを買うために貯蓄をしたように,中国では「お金をためて携帯電話機を買うことがトレンドになっている」ためである。最新の携帯電話機を持つことが一種の社会的な「ステータス」と捉えられていることがその背景にはあるという。