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 米Freescale Semiconductor,Inc.は,同社で「第4世代」になる携帯電話機向けのRFアナログ回路用モジュール・セット「MMM6000シリーズ」を開発した。第3世代携帯電話方式「W-CDMA」と欧州の「GSM」,北米の「EDGE」の3方式に対応する。現在サンプル出荷中で,2005年第3四半期に量産する。価格は公開していない。

 Freescale社は従来から,複数個のLSIと各種の受動部品を基板上に実装し,LSIのようにパッケージ化した「マルチチップ・モジュール」を開発している。

 MMM6000シリーズは,W-CDMA用トランシーバ・モジュール「MMM6007」とそのパワー・アンプ(PA)用モジュール「MMM6032」,GSM/EDGE用トランシーバ・モジュール「MMM6000」とそのPA用モジュール「MMM6029」の計4個のモジュールで構成する。携帯電話の3方式に対応するほか,周波数帯もW-CDMAの800MHz帯,1.9GHz帯,2GHz帯の3バンド,GSM/EDGEの4バンドに対応する。「W-CDMAの1.9GHz帯は少しの手直しで日本で新たに携帯電話へ割り当てが決まった1.7GHz帯向けとして使える」(Freescale社の日本法人)。この修正方法について同社は,米カリフォルニア州ロングビーチで開催中の「IEEE MTT-S International Microwave Symposium 2005(IMS2005)」で明らかにしたばかりである(Tech-On!の関連記事)。

 今回のモジュール群の特徴は,LSIだけでなく受動部品も小さな1パッケージに搭載しているため,比較的容易に送受信用ボードを完成できる点や,外付けの部品点数が少ないことでボードの実装面積が小さく済む点である。2003年に同社が開発した最初の携帯電話機向けマルチチップ・モジュールは,受信回路,送信回路,ベースバンド用回路など各回路をそれぞれモジュール化し,全部で7個のモジュールからなっていた。同社は,開発の世代を重ねるごとに搭載部品を増やし,今回は4個のモジュールに数を減らした。水晶発振子やデカップリング・コンデンサなど外付け部品も含めてボード上に実装したときの面積は,629mm2。同社の前の世代よりも3割少ないという。


次世代はオール90nmルールのCMOS技術で2チップに

 今回のモジュール・セットのうち,2つのトランシーバ用モジュールはそれぞれ,RFトランシーバICとアナログ・ベースバンド用ICの2個のICを内蔵している。製造プロセスはこのICごとに異なる。具体的には,W-CDMAではトランシーバICがSiGe,アナログ・ベースバンドICが90nmルールのCMOS技術。GSM/EDGEの場合は,トランシーバICが0.13μmルールのCMOS技術,アナログ・ベースバンドICが0.18μmルールのCMOS技術を利用している。PAはW-CDMAとGSM/EDGE共にGaAsを利用する。

 「90nmルールのCMOSを携帯電話のIC製造に採用したのは今回が初めて」(Freescale社)。同社は,2006年に開発する予定の次世代モジュールで,W-CDMAとGSM/EDGEを1モジュールにまとめ,PAと合わせて2モジュール構成にする計画である。「その際,トランシーバのプロセス技術には,すべて90nmルールのCMOS技術を採用する。今回は,それに向けての第一歩」(同社)という。