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3日目のプレナリー・セッションの様子。Meng氏の基調講演はこのセッションで行われた
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60GHz帯には利用可能な広い帯域があると力説した
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 米カリフォルニア州ロングビーチで開催中の高周波技術の国際会議「IEEE MTT−S International Microwave Symposium 2005(IMS2005)」は,3日目となる2005年6月14日,米Stanford University教授のTeresa Meng氏が基調講演を行った。Meng氏は低電力回路設計や無線通信回路を専門としており,無線LAN用ICの大手メーカーである米Atheros Communications,Inc.の創業者としても知られる。研究者と同時に起業家としても成功を収めた同氏が,無線技術の今後を語るとあって,会場には多数の参加者が詰め掛けた。

 Meng氏は講演の中で,今後の有望な技術の一つとして60GHz帯無線を挙げた。「60GHz帯には,米国や日本で利用可能な帯域が数GHzもある。この帯域を活用すれば,Gビット/秒クラスの無線通信を安価に実現できる」(同氏)とした。そのうえで,「CMOS無線技術は60GHz帯にもっと挑戦するべきだ。60GHz帯は,Wi-Fiの次の大きなウェイブになるだろう」との見方を示した。

 Meng氏が創業したAtheros社は,5GHz帯無線LANで利用するRFトランシーバICを,従来のSiGe技術からCMOS技術で製造したことで注目を浴びた。今後のCMOSプロセスの進化に伴って,扱える周波数が高まることが期待できることから,将来は60GHzといった高周波帯のRFトランシーバICもCMOS技術で実現できるという見方だ。このために,新しいCMOS回路アーキテクチャや新たなモデリング技術が必要になるとしている。

 同氏は「60GHz帯の無線通信は,直進性などの問題があると言われる。しかし,MIMO(multi input multi output)などの信号処理技術と組み合わせれば,使い勝手を向上させることができる」とし,60GHz帯無線とMIMO技術を組み合わせる手法が期待できると述べた。デジタル信号処理技術を使ってアナログRF技術を補完する現在の流れに沿った考え方としている。