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 米Digital Transmission Licensing Administration社(DTLA)は,米Microsoft Corp.に対して「DTCP」をライセンスしたことを明らかにした(PDF形式の発表資料)。DTCPはdigital transmission content protectionの略で,通信路を介してコンテンツを送る際,不正にコピーされないよう保護する技術である。Micorosoft社によると,今回のライセンスにはDTCP-IP(DTCP over internet protocol)も含まれている。ライセンスの対象となるのはMicrosoft社のDRM(digital rights management)技術「Windows Media DRM 10」とそれ以上のバージョンだという。

ハリウッドを説得

 このライセンスでMicrosoft社が目指すのは,DTCPを用いてパソコンとデジタル家電機器,携帯端末などを結ぶことだという。そうすることでWindows Media DRMで保護されたコンテンツの再生環境を広げられるとみる。例えば,インターネットでパソコンにダウンロードした有償コンテンツを,携帯端末で再生することが可能になる。

 今回,DTCPのライセンスを受けるためにMicrosoft社は相当の苦労をしたようだ。米国の映画会社であるWarner Bros. Entertainment Inc.やSony Pictures Entertainment社とも交渉したという(Tech-On!の関連記事)。その交渉を米国ハリウッドの大手スタジオが受け入れたということは,これまで「パソコンは有償コンテンツの配信プラットフォームとしてはオープン過ぎる」としてきた立場を見直したといえそうだ。

「5C」が協力

 ここで注目すべきなのは,Microsoft社が本当に狙っていたのはIEEE1394などを伝送路に使うDTCPではなくDTCP-IPであることだ。契約に至った動機の1つと見られるのは,家庭内ネットワークによる機器接続の標準仕様を定めている米DLNA(Digital Living Network Alliance)の動きにある。DLNAは,家庭内ネットワークにおけるコンテンツ保護技術の標準を検討し始めている。特に米Intel Corp.が売り込んでいるDTCP-IPが,その候補として有力だといわれている。なお現在,DTCP-IPとWindows Media DRMの互換性を確保するために「Microsoft社とDTCPを開発した5C(日立製作所,Intel社,松下電器産業,ソニー,東芝)が協力している」(Microsoft社)とのことだ。

 Microsoft社はDTCP/DTCP-IPに対応したWindows Media DRMの投入時期を公開していない。しかも今回の契約は一時的なものである。現状でMicrosoft社はDTLAのライセンス条件を満たしていないようで,これからその整備を進めて正式なライセンス契約を2005年12月31日までに結ぶという。