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警察庁に感謝状を贈呈する辻本会長
 コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は2005年6月24日,2005年度の第1回総会を開き,2004年度の活動を報告した。近年では,違法コピーしたDVDをインターネット・オークションで販売する,ゲームの画像を自分で運営するWWWサイトに無断で大量に掲載するなど,インターネットを利用した著作権侵害の事例が急増しているという。組織ではなく個人で侵害行為に及ぶケースが増えており,「気軽に侵害する個人が少なくない。検挙された侵害者の多くが『悪いこととは知っていたが,みんなやっているので』と話している」(ACCS広報)という。警察庁の発表によれば,2004年の知的財産侵害事犯の検挙件数は359件,うちインターネット利用事犯の検挙件数は123件に上っており,いずれも前年から増加している。

知的財産権侵害事犯の検挙件数の推移(数値は警察庁が公表したもの)

現行犯逮捕の事例も

 ACCSの2005年度第1回総会後の講演会には,こうした知財侵害事犯の検挙に努めた各県警から担当者が招かれ,印象に残った検挙事例について語った。富山県警察本部の島田久幸氏は,父子で海賊版DVDを販売していた事例を振り返った。関東在住の息子が中国で制作された海賊版DVDを複製し,北海道に住む父親がインターネット・オークションで販売手続きをとっていた事件。人気アニメ「ドラえもん」などの海賊版を全国約1000人に対しておよそ1万枚を販売,1000万円程度を荒稼ぎしていたという。

 兵庫県警察本部の益田高明氏は,海賊版DVD販売を現行犯で逮捕した事例について語った。舞台となったのは,毎年1月に全国のえびす神社で開催されるえびす祭。神社の境内で暴力団組員が人気アニメ「機動戦士ガンダムSEED」などの海賊版DVDを販売していたところを現行犯逮捕した。この事件の逮捕にあたっては,兵庫県警から相談を受けたACCSのスタッフが急遽,神戸まで駆けつけて,権利侵害の有無などの調査に協力したという。組員は組側から祭りの開催中に1500枚を売り上げるノルマを課されていたと言い,1枚400円で仕入れた海賊版DVDを1000円で販売していた。既に2年の実刑が確定している。

 福岡県警察本部の小林真二氏は,ゲーム画像を無断でWWWサイトに掲載していたケースを紹介した。市販のゲームの静止画像やゲーム・メーカーのWWWサイトに掲載されていた画像など約2万点を無断で複製し,自身が運営するWWWサイトに掲載し,誰もがダウンロードできる状態にしていたというもの。

 ACCSは2004年に全国47都道府県全てで知財侵害事犯が検挙されたことを受けて,講演会の後に会長の辻本憲三氏から警察庁へ感謝状を贈った(写真)。