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パソコンを使った計測・検査技術動向の第2回。今回は「PCI Express」がなぜ必要となったか,「PCIバス」は何が問題だったのかについて解説してもらう。(日経ものづくり)

日本ナショナルインスツルメンツ
マーケティング部
湯田悟子

 PCIバスが規格化されて既に10年以上。パソコンに限らず幅広く使用され,計測の世界でも活躍している。しかし,I/Oデバイスの進化に伴い,1.06Gbps(132Mバイト/秒)というPCIバスの帯域幅が,アプリケーションによってはボトルネックになりだした。そこで登場したのが,PCI Express。PCI Expressを利用すれば,バスの帯域幅に制限されることなく,ハードウエアの機能を最大限に引き出せる。

PCIバスとは何だったか


 PCI Expressの詳細について述べる前に,その前身となったPCIバスについて振り返ってみよう。1990年の発表以来,PCIバスは当時一般的に使われていた「VL」*1や「ISA」「EISA」*2「MCA」*3などのバスに取って代わるものとなった。PCIには,ISAなどの1世代前のバスに比べて,大幅な機能の改良や追加が加えられている。その中でも特に重要なのが「絶縁バッファ」「バスマスタリング」そして「プラグアンドプレイ」である。

 絶縁バッファは,CPUローカルバスとPCIバスを電子的に絶縁するとともに,クロックドメインからも独立させたもの。PCIバスとCPUバスでの処理を並列に実行できるようになり,CPUローカルバスの周波数を向上させることが可能となった。バスマスタリングは,CPUを介さずにメモリー内容を転送する。CPUのサービスを待たずにデバイスと通信できるため,全体的な遅延時間やI/O処理時間が大幅に改善された。さらに,プラグアンドプレイ技術によりデバイスが自動的に認識・構成されるようになった。ベースアドレスやDMA割り込み処理などの設定が自動化でき,ユーザビリティが大きく向上した(図1)。


●図1 2002年当時のPCIバスを使ったPCアーキテクチャ(提供は米Intel社)

*1 VL グラフィックス機器メーカーの団体VESAによって規格されたバス。

*2 EISA ISAと互換性を持つ上位バス。最大転送速度は33Mバイト/秒。

*3 MCA(MicroChannel Architecture) ISAバスの後継として米IBM社が規格したバス。ただしISAと互換性はない。