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図1 富士ゼロックスが開発した光配線をメモリ・バスに使う拡張メモリ装置
図1 富士ゼロックスが開発した光配線をメモリ・バスに使う拡張メモリ装置
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図2 今回の拡張メモリ装置の基本性能と構成
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 富士ゼロックスは,樹脂製の光導波路を半導体メモリへのバス・インタフェースとして利用する拡張メモリ装置を開発した。現在開催中の展示会「第7回データストレージEXPO」(東京ビッグサイト,2005年6月29日~7月1日)で参考出展している(図1)。電気配線を利用する既存の拡張メモリ装置に比べて,1ポート当たりの読み込み/書き込み速度で2倍~3倍高い。その一方で価格は既存製品よりも安くできる,という。2006年夏ころに製品の出荷を始める予定。

 拡張メモリ装置は,ブレード・サーバなど高速サーバ製品に外付けしてメモリ容量の不足を補うための装置である。高速な読み込み/書き込み性能が求められる一方で,DRAMなどのメモリを多数使うため,筐体内で大量の配線が必要となり,寸法が大きくなりがちだった。

 今回の拡張メモリ装置の1秒間当たりのリード/ライト処理数を示す「IOPS(IO per second)」は,1ポート当たり8万で,既存の製品の2倍~3倍に相当する(図2)。その一方で,筐体の寸法は面積はラック1台分で高さ1Uサイズ(約4cm)と,競合製品の1/2~1/3の大きさである。サーバとの接続用インタフェースには,4レーンのPCI Expressを採用した。

 高速化と小型化を同時に実現できたのは,同社が開発した「光シートバス」と呼ぶ1対多に分岐するシート状の光導波路を,PCI Expressとメモリ・コントローラ間のバス配線に利用したことにある(Tech-On!の関連記事)。光伝送のメリットは,(1)低遅延,(2)配線の省スペース化,(3)さらなる高速化が可能,(4)電磁雑音がほとんどない,などである(日経エレクトロニクスの関連記事)。実際,富士ゼロックスによれば,遅延時間は,約5μsと,電気配線時の約20μsの1/4で済む。配線スペースは,厚さ1mmと極めて薄い。
 
 今回のシステムでは,受発光素子を含めた光導波路の伝送速度は,PCI Expressと同じ3.125Gビット/秒とした。「10Gビット/秒にすることも可能だが,コストを考えてこの速度にした」(同社)。現在,VCSEL(vertical cavity surface emitting laser diode:面発光レーザ)と呼ぶ発光素子は,3Gビット/秒対応のもので1個100円を切るほどに低価格化している。一方,10Gビット/秒対応のVCSELは,1個数千円とまだ高い。「コストの大部分はメモリのコストで,光配線にしたことによるコストアップ分は全体からするとわずか」(同社)という。

 参考出展したデモ機では,PCI Expressのポート数は1ポート,搭載メモリは8Gバイトである。富士ゼロックスは「製品版では,PCI Expressを8ポート,搭載メモリを32Gバイト以上に,さらに遅延を今の5μsから3μs以下におさえる予定」とする。この場合,筐体全体でのIOPSは,64万となる。