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 2005年6月28日,米Advanced Micro Devices, Inc.(AMD社)は米国独占禁止法や米カリフォルニア州の法律を侵害した疑いで,米Intel社と日本法人のインテルを米デラウェア州連邦地方裁判所で訴えた(発表資料)。AMD社は,Intel社の違法行為の中止や「x86系のマイクロプロセサ市場におけるAMD社の競争力を回復・維持する」ための救済措置,Intel社が訴訟のコストを負担することを要求している。なお日本では2005年3月8日に,独占禁止法に違反する行為があったとして,公正取引委員会が日本法人のインテルに対し排除勧告を実施した(Tech-On!関連記事)。

 AMD社の訴状によると,「Intel社は違法な排他的行為によってAMD社の事業が効率的な運営を可能にする最低限の規模に達することを阻止し,Intel社と対抗できる有力な供給者になることを防いでいる」という。AMD社のChairman兼President,CEOであるHector Ruiz氏が公開した手紙では,「我々の競争相手は,マイクロプロセサ産業を阻害し,競争を制限した。我々自身,顧客やパートナー,全世界の消費者のために,我々は行動せざるを得ない」とした。

公正取引委員会の勧告と重なる


 訴状によるとAMD社は,x86系と互換性のあるマイクロプロセサの開発に関する技術交換契約違反で,1987年にIntel社との仲裁を要請した。その結果,仲裁者は1992年にx86の命令セットのライセンスや1000万米ドル以上の賠償などを認めた。こうした結果に基づき,両社は当時係争中だったすべての訴訟について,1995年に和解している。

 今回の訴訟でAMD社が問題視しているのは,こうした係争の終了後,主に2000年代の初期にIntel社がとった行動である。この間にAMD社は,Intel製のマイクロプロセサとピンの互換性がない「Athlon」や,x86系の64ビット・マイクロプロセサ「Opteron」など,独自技術に基づく製品を出荷した。今回の訴訟でAMD社は,これらの製品が獲得できたはずの市場シェアを,Intel社の独占行為によって妨げられたと主張しているようだ。

 訴状によると,Intel社は市場における独占的な地位を保つために,顧客に特別な価格を提示したり,標準化活動を悪用したりするなどの手段をとった。その具体例の中には,公正取引委員会の勧告に記載され,Intel社が認めたものも多いという。たとえば,2002年末の時点でソニーのパソコンの23%がAMD社のマイクロプロセサを搭載していたのに対し,2003年には搭載製品が0%になったのは,Intel社が「数百万米ドル」(訴状)をソニーに支払ったためという。AMD社の発表資料によれば,欧州委員会も日本政府と協力して独占禁止法違反の疑いについて調査を進めているという。

 AMD社の訴訟に対して,Intel社は以下の声明を公開した。「我々は,Intel社とIntel社の顧客の商行為に関わるAMD社の主張に強く反対する。Intel社は公平に競争していると信じているし,活発な競争は消費者に利益をもたらすと考えている。AMD社は再度,言い訳や推測に満ちた訴訟を通じて,Intel社の成功に対して裁判所に苦情を伝える手段を選んだ。Intel社はAMD社の告訴に適切に対応し,問題点を裁判所で解決することに最大限の努力を払う」。