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 伊仏STMicroelectronics社は,中国・山東省の青島市で開催された民生用電子機器の展示会「中国国際消費電子博覧会」(SINOCES 2005)において,中国独自規格の光ディスク規格である「EVD(enhanced versatile disc)」に向けたLSIを開発すると発表した。映像符号化方式にはH.264/MPEG-4 AVCを用いる。

 中国の情報通信行政を管轄する情報産業省は,2005年2月にEVDを,高画素の映像利用に向けた中国の「推薦標準」として,事実上の国家標準規格とすることを表明している。EVDが国家標準規格となった後,EVD関連の特許を保有する北京阜国数字技術公司は国内外の企業と提携し,EVDの商用化を進展させることを目指している。今回,ST社がEVD陣営に参画したのと軌を一にして,EVDの符号化方法や暗号化技術,ディスク表面の物理規格などがバージョン・アップされた。これによりEVDをHDTV向けの映像収録に用いやすくするとともに,従来より多くの用途で使えるようにすることで,EVDの普及のすそ野を広げる考えだ。

「赤色レーザの限界,H.264が打ち破る」

 今回のST社の参画がEVD産業に与える影響については,「H.264はEVDにとって『鬼に金棒(如虎添翼)』となる。なぜなら,従来の映像符号化方式より強力なデータ圧縮性能を備えているからだ。EVDは赤色レーザを用いていることから,物理的な記録容量の限界という圧力がある。H.264対応の符号化/復号化LSIが製品化されれば,この圧力を大幅に軽減できる」(北京阜国数字技術公司の 総裁の〓傑氏:〓は赤におおざと)。従来のEVDで記録できるHDTV映像は最大105分だったが,H.264を用いることで150分のHDTV映像記録が可能になるとしている。同氏はまた,国際的に認知度の高い映像符号化方式であるH.264を採用することが,EVDにもたらすメリットもあると強調した。

 ST社は今後の光ディスク関連事業の戦略について,「当社はBlu-ray Disc,HD DVDの双方を支持している。それと同時に,EVDに対しても大いに注目している。今年上半期はEVD産業の発展が高速に進む時期だとみている。当社もEVDを中国事業の重要な要素と位置付けている」とした。

◎このニュースは,Tech-On!の中国語版「技術在線!(Tech-On! China)」のニュースを日本語に翻訳したものです。中国語のニュース原文は,こちらのページでご覧いただけます。