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図1 登壇した日立製作所の中村氏
図1 登壇した日立製作所の中村氏
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 テクノロジー・サミット2005で日立製作所 執行役副社長 研究開発本部長の中村道治氏は「2010年に向けた研究開発の姿」と題して,具体的な事例を交えつつ同社の取り組みを紹介した(図1)。講演内容は主に3つ。(1)研究開発体制,(2)研究事例,(3)今後求められる研究者像,である。

 現在,日立製作所の研究開発はグループ会社の研究所も含めると約4000人にわたる研究者が在籍しているという。「他社に負けない強い技術をどれだけ多く自社に蓄えることができるが重要」という理由から4000人の研究者がグループ会社,研究テーマを横断的に連携しているのが同社の特徴とする。「10年先~20年先を見据えて20くらいの研究テーマの中から現在,社内ではどの研究を継続するのか検討中」という。

 具体的な研究開発事例として,自動車の走行制御システムやリチウムイオン2次電池技術などを取り上げた。同社の研究所で培ったシミュレーション技術を利用して,通常の前輪に加えて後輪をモータで駆動する4輪駆動システムを紹介した。走行時の車両運動などをシミュレーションしている。

電池についてはリチウムイオン2次電池に注力する。「2010年に普及期を迎えるハイブリッド車を支えるのがリチウムイオン2次電池。しかも応用先は自動車にとどまらず,鉄道車両やバイクなどにも広がる」という。中村氏によると日立製作所が自動車関連技術に積極的に取り組むのは自動車の構成部品のいずれも同社が強みを持っているためとした。構成部品とは電池とモーター,インバータである。このほか,燃料電池については信頼性やコストなどに課題を残すものの携帯電話機やノート・パソコンなどのモバイル用途から普及が始まるとした。

 「ますますトップランナーしか大きな利潤を得られなくなる」とする中村氏は,今後技術の位置付けを明確にし将来像を描くことのできる技術者が求められるとした。日立製作所は具体的な取り組みとして量子力学を応用した極限計測技術やDNA解析技術,脳機能計測など研究者の創意を活かした研究事例を紹介した。