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 デンソーは,2005年度第1四半期(2005年4月1日~6月30日)の連結決算を発表した。売上高は7534億円,営業利益は712億円を計上し,前年同期比でそれぞれ10.7%,18.7%の増収・増益となった。営業利益は第1四半期としては過去最高を更新したという。トヨタ自動車の多目的車「IMVシリーズ」の生産が始まったことで,特にアジア地域の売上高と営業利益が伸びた。第1四半期が好調だったことから,同社は2005年度上半期の業績予測を上方修正している。

 日系自動車メーカーの車両生産台数が国内で2%,海外で13%上昇したことで,デンソーの売上高もすべての地域で増加した。特に日本を除くアジアとオーストラリアの「豪亜」セグメントでは,第1四半期の売上高が905億円を計上し,前年同期比で47.5%(現地通貨ベースでは44.5%)の増収となった。「前年同期はゼロだったIMVの生産台数が約13万台となり,工場の操業効率も高まった」(デンソー経営企画部財務企画室室長の田中宏幸氏)ことにより,同地域の営業利益は87億円と,前年同期の約2.1倍となった。

 営業利益率が唯一悪化したのは「北中南米」セグメント。売上高は1617億円(前年同期は1498億円)と増えたが,営業利益は81億円(同90億円)と微減。「GM(米General Motors社),クライスラー(DaimlerChrysler社のChrysler部門),トヨタなどからの値引き要請が一段と強くなっている」(デンソー経営企画部財務企画室主幹の大平秀男氏)。米ビッグ3を中心に北米市場でインセンティブ(販売奨励金)の投入量が増加していることが,値引き要請の背景にあるようだ。これ以外にも,例えばビッグ3の中には数年先に発売するモデルでの部品の採用を約束する代わりに,現在使っている部品の値引きを要求することがあるという。ただし,この手法は現時点で体力のある部品メーカーしか付いていけないため,近年は「見直されつつある」(デンソーの田中氏)という。

 「欧州」セグメントは,営業利益1億円を計上し,かろうじて黒字転換となった。独VolksWagen社向けが伸び悩んだものの,独BMW社や独Audi社向けのエアコンなどで挽回し,チェコの工場の操業効率が上がったため。トヨタや日産自動車向けにコモンレールを製造するハンガリーの工場も生産量が増加した。2005年度通期でも利益を確保できる見込みで,実現すれば1999年度以来6年振りの黒字となる。

 第1四半期の好業績を受け,上期業績を上方修正した。修正後の上期売上高は1兆4700億円(修正前は1兆4400億円),営業利益は1140億円(同1020億円),純利益は610億円(同530億円)を見込む。

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