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三菱重工業の大宮英明氏と日立空調システムの石津尚澄氏
三菱重工業の大宮英明氏と日立空調システムの石津尚澄氏
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会見が終わり,握手する両氏
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 日立製作所と三菱重工業が空調冷凍事業の合弁会社設立を凍結した件(Tech-On!関連記事)に関して,両社は記者発表会を開催し,その意図を説明した。発表会に出席したのは,日立製作所の子会社で空調冷凍事業を営む日立空調システム(本社東京)社長の石津尚澄氏と,三菱重工業常務執行役員で空調事業本部長の大宮英明氏。両氏の説明によれば,両社は販売部門の統合が難しいと判断し,合弁会社設立の主眼だった開発体制の強化を早期に図るため,合弁会社設立から業務提携に切り替えたという。

 記者会見での質疑応答の様子は以下の通り。

――2004年6月に合弁会社設立を発表して以来,今回の結論が出るまでにこれだけの時間を要した理由は?
大宮氏:統合作業を進めた結果,販売部門の調整に時間がかかると判断した。特に海外の調整が難しい。日本では主に資本傘下の販売会社を使っているのに対し,海外では我々の資本が入っていない代理店を通じて販売している。販路の調整がネックとなった。元々,合弁会社設立に期待していたのは開発部門での成果だったので,できるところから始めるために,合弁会社設立ではなく業務提携という形を選んだ。

――合弁会社を設立した後で,海外の販路を調整しても良かったのではないか?
石津氏:現在,この事業は「国内は国内,海外は海外」という考え方ではとても経営できないと感じている。

大宮氏:私も(石津氏と)同意見だ。以前は,日本向けに新製品を出してから,同じ性能の海外向け製品を開発するという体制で良かったかも知れない。しかし,現在は新製品を世界で同時に投入しなければならない。新開発の冷媒を使った新製品を,日本ではなく欧州で先に発売したという例すらある。こうした要求は家庭用エアコンで顕著だったが,業務用エアコンでも同様の流れがきている。従って,販売部門の調整ができないまま合弁会社を設立するというのは考えられない。

――ダイキン工業や三菱電機といったトップ企業に対し,自社の強みと弱みをどのように分析しているか?
石津氏:製品で言えば,大型に属するものは優位性があると考えている。要素部品ではコンプレッサに自信を持っている。

大宮氏:冷凍輸送に関しては業界でナンバーワンを自負している。日立空調システムと同じくコンプレッサの性能に関しては誇れると思う。一方,両社の弱みは開発人員が少ないこと。例えば業務用エアコンはフルラインアップをそろえられなければ,発注の候補先にも挙げてもらえない業界。ニッチで生き残るのは難しい。従って,開発人員の不足は共同開発によって補う。ラインアップで欠けている機種をお互いのOEMによって補完することも,業務提携の狙いの一つだ。

――異なる社風,従業員の待遇といったものが合弁会社設立の妨げになったという見方もあるようだが?
石津氏:そのようなことはない。自分たちのビジネスを強化することが最も優先すべきことであり,それ以外のことは解決可能な問題だ。そのようなことで合弁会社設立を取りやめることは考えられない。

大宮氏:社風に関して言えば,技術を会社のコアとして重要視している点は似ていると思う。