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2005年上半期をあらためて見つめ直す意味で,Tech-On!では今,13のテーマサイトごとに「上半期トップ10」をお送りしています。今回は,産業動向オブザーバのテーマサイト・マスターである赤坂麻実が,アクセス上位の記事をピックアップすることで企業・市場動向の上半期を振り返ります。(Tech-On!編集部)

 この上半期の企業・市場動向で最も注目を浴びたのは,なんといっても年明け早々に和解が成立した中村裁判だ。青色発光ダイオードに関する発明の対価をめぐって,中村修二氏と元の雇用先である日亜化学工業が争ったこの裁判は,「和解」の後も中村氏自らが「日本の司法は腐っている」と怒りをあらわにするなど,話題を呼んだ(1月12日の記事)

 裁判という対立構造の話題だったこともあり,中村派,日亜化学派など,立場を決めて論陣を張る技術者も少なくないようで,「青色LED訴訟の波紋」(1/2/3/4)や「報道に負けた中村修二氏」といったTech-On!掲載のコラム群にも長文のコメントが多数,寄せられた。どちらの言い分が適切か,または共感できるか,といったことを別に,多くの技術者にとって,この裁判が職務発明制度を考え直すキッカケになったことは間違いなさそうだ。企業にとっても,中村裁判をはじめとする「相当の対価」をめぐる裁判は,特許法第35条の改正と合わせて,社内の発明報奨制度を見直す動機や基準の1つになった。例えば東芝では,発明報奨制度を見直す社内の話し合いの中で,従業員から「中村裁判の和解内容と比べてどうか」といった質問も飛び出したという(「対価を決める」:東芝編/ソニー編/日立編)。

「一太郎」訴訟,控訴審判決は9月に

 「一太郎」訴訟も,この上半期に技術者の耳目を集めた話題の1つだ。ジャストシステムのワープロ・ソフト「一太郎」と画像処理ソフト「花子」が特許権を侵害しているとして,松下電器産業がジャストシステムを提訴,一審では松下電器の言い分が認められた(2月1日の記事)。これを受けてジャストシステムはすぐさま控訴(2月8日の記事/6月3日の記事),現在は控訴審が終決して,2005年9月30日の判決を待つ段階である。

 このほか,液晶パネルに関する特許をめぐるシャープと台湾TECO Electric&Machinery Co., Ltd.の係争(3月3日の記事/関連記事1/2/3)や,ハード・ディスク装置やフラッシュEEPROMを用いた携帯型音楽プレーヤの普及に伴って私的録音補償金制度の見直しが進んでいること(Tech-On!記事1/2/3/4/5/6)など,上半期は知的財産権にまつわる話題に関心が集まった。

注目度が高い「新・三種の神器」

 企業・市場動向をゆさぶる製品として注目度が高いのは,薄型テレビとDVDレコーダ。産業動向オブザーバの上半期アクセス・トップ20のうち,6本がこの2つに関する記事だった(第4位/第5位/第12位/第13位/第17位/第18位)。薄型テレビとDVDレコーダは,デジタル・カメラと並んで「新・三種の神器」とも呼ばれるが,これらは特に2004年度下期から価格の下落幅が大きくなっている製品群でもある。企業の決算説明会では,減益の理由として名前が挙がることも少なくない(決算記事1/2/3)。企業の浮沈を占う意味でも見逃せない製品群となっている。

2005年上半期(2005年1月1日~6月30日)アクセス・トップ10
順位 記事タイトル 掲載日
1 「日本の司法は腐っている」,中村修二氏が記者会見で怒りをあらわに 1/12
2 「一太郎」「花子」の販売禁止---東京地裁,松下の主張認め判決 2/1
3 「2万円が8億円に増えたことを評価して欲しい」,中村弁護団が記者会見で強調 1/11
4 「薄型買うならPDPより液晶テレビ」,日経MAがアンケート調査結果を発表 2/9
5 【続報】松下電器がPDPテレビを語る,「業界の価格下落は20%だが当社への影響は10%だけ」 2/4
6 【続報】TECO社が「シャープの真意が掴めない」と指摘する経緯 4/12
7 青色LED訴訟が和解,発明の対価は6億857万円で決着 1/11
8 技術者が成果主義に低い評価,日本能率協会が成果主義に関する調査結果を発表 2/22
9 【決算】「11月以降,毎週潮が引くように受注が減って…」NECエレが今期2度目の下方修正 1/26
10 「Samsung社の研究開発は脅威か否か」,立命館アジア太平洋大学の教授らが報告 2/14