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 富士通研究所は,携帯電話機に向けてテレビ電話などの動画像の画質をリアルタイムで補正する技術を開発した。テレビ電話で通話時に,音声データと共に相手側から送信される画像データを,QCIF(176×144画素)ならば15フレーム/秒の速度で輝度や色ずれなどを補正してから,ディスプレイに映し出す。相手側から送られてくる画像が逆光の状態で撮影するため背景が白飛びすると共に画像全体が色ずれしていたり,あるいは夜間など暗い場所で撮影するため画像全体が暗くなったりしていても,全体としてはきれいに見えるように補正できるとする。輝度や色ずれを補正する際には,肌色や草木など緑色,青空などの青色といった人間が特に気にする色,いわゆる記憶色について重点的に修正するという。今回の技術は,NTTドコモが2005年8月19日に販売を開始する富士通製のFOMA端末「FOMAらくらくホン!)」(型番は「F881iES」)に実装する。携帯電話機向けでテレビ電話の画像をリアルタイムで補正できる技術としては,実用化するのは世界初という。

 パソコンなどに比べると携帯電話機はLSIの処理能力が高くなく,さらに画像処理機能を追加するとなっても電池駆動のため消費電力はあまり増やせないという制約がある。このような条件下で動画像の画質をリアルタイムで補正できるように,富士通研究所は大きく2つの工夫を施した。1つは,画素の1つ1つを分析して補正を加えていくのではなく,ヒストグラムと,画像の白飛びする個所や肌色部分などの局所情報を使って解析し,画質補正すること。もう1つは,補正量の算出を2秒~3秒ごとに実行していること。いずれも処理に要する時間を減らせると共に,消費電力の増加を比較的少なめに抑えられるとする。