電子情報技術産業協会(JEITA)は,パソコンが放出するVOC(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物)について測定方法と放散量の指針値を自主的に定めた「パソコンに関するVOCガイドライン」を発行した。JEITAに加盟しているメーカーのパソコンのうち,80%~90%以上のものは今回定めた指針値を既に達成しているという。
VOCによる健康への影響が特に懸念されているのは,部屋の容積当たりのパソコン設置台数が多い学校のパソコン教室である。そのため,今回の指針は学校のパソコン教室でパソコンを利用する場合を想定して定めた。一般的な学校の教室の場合,今回の指針値は厚生労働省の定めたVOCなどの「化学物質の室内濃度に関する指針値」の約10%相当としている。
今回定めたガイドラインの対象となる機器は「デスクトップ型パソコン(キーボード,マウスを含む)」と「ディスプレイ一体型パソコン(キーボード,マウスを含む)」,「ノート型パソコン」,「ディスプレイ」。「シンクライアント」と呼ばれる,サーバ機と組み合わせて利用するクライアント端末も含む。対象物質は学校環境衛生の基準で定められているトルエン,キシレン,パラジクロロベンゼン,エチルベンゼン,スチレン,ホルムアルデヒドの6物質にアセトアルデヒドを加えた7物質である。