KDDIは非接触ICカード方式「ISO/IEC15693 Type B(以下,Type B)」と「FeliCa」の両方に対応した携帯電話機を開発した。試作機を開発したメーカーについては明らかにしていない。Type Bは運転免許証や住民記帳台帳カードなどで採用されている方式で,FeliCaは定期券や電子マネーなどで実用化している方式である。両方式に対応したことで,非接触ICカードを利用するさまざまな用途に対して,今回の試作機1台で対応できる。
開発した試作機は非接触ICカードの方式を自動的に切り替える機能を備えているのが特徴だ。例えば,FeliCa方式を使う駅の改札やコンビニエンス・ストアのレジに携帯電話機をかざすと,携帯電話機が自動検知しFeliCa方式を使って通信する。Type Bに対応したリーダー/ライターにかざした場合は,Type Bに切り替えて通信する。「ユーザーは実際に携帯電話機を使用する際に非接触ICカード方式を意識することはない。こうした自動切り替えは必須の機能」(KDDIの広報担当者)。
携帯電話機にはType B対応のチップとFeliCaチップをそれぞれ実装しているという。アンテナは共用しているものと思われる。今回開発した試作機は2005年10月4日~8日に開催される「CEATEC JAPAN 2005」に出展し,実際にデモンストレーションを行う予定である。