米Synopsys, Inc.は,最大データ伝送速度が480Mビット/秒の無線インタフェース「Certified Wireless USB(以下,WUSB)」のデバイス・コントローラに向けたIPコアを発表した。同社のIPコア製品群「DesignWare」の1製品として,2006年初頭に提供開始する予定である。既に,早期採用を決めた顧客への提供を始めている。同社は,米Intel Corp.が主催する開発者向け会議「Intel Developer Forum fall 2005」において,開発用ボードを使って動作を実演していた(Tech-On!の関連記事1)。
今回発表したWUSBのデバイス・コントローラ向けIPコアは,MAC回路やWUSBの通信プロトコル処理回路などを備える。USBの業界推進団体であるUSB Implementers Forum(USB-IF)が認定したWUSB仕様に準拠するという。MAC用LSIはNECエレクトロニクスがいち早く製品化している(Tech-On!の関連記事2)が,「半導体メーカーにしばられることなくSoCに自由に組み込めるIPコアの需要は大きいだろう」(Synopsys社IP & System Group, Director of MarketingのKevin Walsh氏)とみる。AMBA AHBバス・インタフェースを備え,業界団体であるWiMedia Allianceが定めたMAC層と物理層のインタフェース仕様に準拠する。
Synopsys社はこの発表に合わせて,WiMedia UWB仕様に準拠する物理層LSIを提供する2社との協業を明らかにした。その1社である米Alereon, Inc.とは,Synopsys社のIPコアをFPGAに実装したものと,Alereon社の物理層LSI「AL4000」との接続試験に成功した。また台湾Realtek Semiconductor Corp.とは,Synopsys社のIPコアとRealtek社の物理層LSIとの接続試験を今後実施する。