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Warner社のEdgar Bronfman, Jr.
Warner社のEdgar Bronfman, Jr.
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 「CTIA Wireless I.T. & Entertainment 2005」の基調講演で,大手レコード会社米Warner Music Group(Warner社)でChairman兼CEOを務めるEdgar Bronfman, Jr.氏は,個々のユーザーの嗜好に合わせた新しい音楽サービスが登場する可能性があることから,携帯電話機を用いた音楽配信の市場は「音楽業界にとって今まで最も大きいチャンスになる」と主張した。Warner社にとっての携帯電話市場の重要さを強調するためにBronfman氏は,同社が15万曲分のコンテンツを携帯電話機に配信するためのデータベースの作成が終了したことを明らかにした。さらに同氏は,衛星回線を通じて英国ロンドンで開催中の社内会議の様子を生中継して,この中で,同社の音楽アーティスト開発部に携帯電話機向けの配信サービスについて深く理解するよう命じた。

 現在大手レコード会社は,Apple Computer, Inc.がデジタル音楽配信市場を握る状態であることを懸念して,コンテンツの価格設定やApple社の独自DRM技術の採用について激論を繰り広げている。Bronfman氏が携帯話電話市場の重視を打ち出した背景には,音楽市場におけるApple社の影響力を弱めたいという意図があったようだ。同氏は「柔軟性のある価格設定」と,米Sun Microsystems, Inc.が提案したオープンソースのDRM(digital rights management)技術である「Open Media Commons」(Tech-On!関連記事)の利点を強調した。