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 三洋電機は,家庭用冷蔵庫の新製品2機種を2005年11月1日に発売する(発表資料)。今回発売するのは,容量435L(リットル)の6ドア品「SR-FS44K」と容量438Lの5ドア品「SR-S44K」の2機種。最大の特徴は製氷時間が短いことだ。同社の従来機種では2時間かかっていたところ,1時間で製氷できるという。記者発表会では,「他社製品に80分で製氷できるものがあるが,当社はさらに短い60分」(同社広報)と,製氷の速さをアピールした。


小さな氷を作れるクラッシュアイス製氷皿も付属

牛乳パックも縦にしたまま冷凍室に入れられる
 三洋電機によれば,従来の自動製氷機では,外気温や庫内温度,冷却時間といった情報を総合して製氷を判断していた。このため,「ある程度,時間的な余裕を見ることになり,脱氷までに余分な時間がかかった」(同社広報)。今回の製品では赤外線センサを搭載し,非接触で氷の温度を測定して製氷機を制御することで,時間の無駄を省いたとする。一般に赤外線センサは低温域での正確な温度検知が難しいとされるが,三洋電機では入力信号の増幅率を数十倍に高めるなどの工夫により,低い温度でも正確に検知できるようにしたという。

 同社が製氷機にこだわったのは,冷蔵庫を家族みんなが使いたくなるものにしようという考えからだ。同社の調べでは,1日に冷蔵庫の扉を開ける回数は,冷蔵室や野菜室は女性が圧倒的に多いのに対して,冷凍室は男性や子供が開ける割合も多いという。冷凍室を開けやすい中段に配置し,サイズを大きくする,製氷時間を短くする,水の通る部品は全て取り外して洗えるようにするなど,使い勝手を高めることで,「冷蔵庫を,家族みんながワクワクするおいしさが詰まった宝箱にしたい」と同社は企画意図を説明する。


1日に冷蔵庫の扉を開ける回数(三洋電機調べ)

 希望小売価格(税込み)は,SR-FS44Kが28万3500円,SR-S44Kは27万3000円である。量産規模はSR-FS44Kが1万5000台/月,SR-S44Kは1万台/月とする。大型冷蔵庫の市場における三洋電機のシェアは現在のところ約10%程度。同社はこれを今後,15%へ引き上げる目標を掲げている。