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図1 0.44インチ型〜2.5インチ型の有機ELパネル
図1 0.44インチ型〜2.5インチ型の有機ELパネル
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図2 LEDと有機ELの演色性の違い
図2 LEDと有機ELの演色性の違い
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 豊田自動織機は,有機ELパネルを利用した液晶パネル向け白色バックライトを2006年春にも量産する。CEATEC会場で同社が明らかにしたもの。現在,愛知県安城市の工場で量産に向けた生産ラインを建設中である。

 同社が白色バックライト用に開発した有機ELパネルは,サイズが0.44インチ型,1.5インチ型,2.5インチ型の3種類(図1)。駆動電圧+4V~+5Vで,初期輝度は4000cd/m2,発光効率は10lm/Wを超えるという。パネルの厚さは0.3mm~0.5mmと薄い。特徴は,RGBの3色発光で白色を実現している点。「他社の有機ELパネルではまだ2色発光であるケースがほとんど」(豊田自動織機)という。また,有機ELの保護に,ガラスでない封止膜を利用したのも同社が初めて,という。

 想定する用途は,主にデジタル・カメラやデジタル・ビデオの液晶パネル。ただし,「携帯電話機に利用するにはまだパネルの寿命が足りない」という。携帯電話機では初期輝度の半減時間が1万時間ぐらいは必要なのに対し,現時点での同社の有機ELパネルは5000時間程度であるためだ。デジタル・カメラであれば,携帯電話に比べ1日の平均的な利用時間が少なく,5000時間でも実用になるという。

 現在白色バックライトとして主に使われているLEDに対する,同社の有機ELパネルの長所は,(1)パネルが薄い,(2)演色性が高い,などの点。同社によれば,LEDは青色LEDを基に白色を作るため,赤系の発光がやや弱い。これに対し,同社の有機ELパネルは3色発光であるため,カラー・フィルタを通した場合の演色性が高くなるという(図2)。