シチズン電子は大型液晶テレビのバックライトなどに向けた赤色や緑色,青色の発光ダイオード(LED)「CL-751S」を開発し,このLEDを使った40インチ型の液晶パネル向けバックライト・モジュールを展示した。バックライト・モジュールには,赤色LEDと青色LEDを665個,緑色LEDを1330個の合計2660個を実装した。画面輝度が6000cd/m2のときの消費電力は210Wである。他社品のLEDを使って同等の画面輝度を得るには280W必要であるという。今回の製品は他社品よりもバックライト・モジュールの消費電力を25%程度減らせるという見積もりだ。バックライトに6000cd/m2の輝度があれば,液晶パネルと組み合わせた後にもパネルの画面輝度を約450cd/m2にできるという。色再現範囲はNTSC規格比で120%,このモジュール上に液晶パネルを張り合わせたときにはパネルの色再現範囲は同100%に達成するという。
今回のLEDは,順方向電流が50mA。ソニーのLEDバックライト搭載の液晶テレビ「QUALIA 005」が2W程度だったのに比べると,LED1個当たりに入力する電力はかなり小さく,1ケタ程度小さい小出力品を使っている。投入電力が小さいので,2660個ものLEDを搭載した。
大型バックライト・モジュールに使えるようにするため,今回のLEDは放熱性を高めたパッケージ構造を採用したとする。LEDの熱抵抗は50℃/W。LEDの外形寸法は2.3mm×2.3mm×0.7mm。赤色と緑色,青色LEDそれぞれの光度は,順方向電流20mAのときに赤色LEDが400mcd,緑色LEDが1100mcd,青色LEDが180mcdである。