「成長著しい普及機に本格参入する」。パナソニック ファクトリーソリューションズは,2005年10月5日に幕張で開幕した実装関連の展示会「PROTEC JAPAN 2005」で,記者説明会を開いて今後の戦略を述べた。
パナソニック ファクトリーソリューションズによると,エレクトロニクス機器の多品種適量生産や急激な価格低下の影響を受けて,部品を実装する装置であるモジュラ・マウンタも2000万円未満の普及価格帯の比率が高まる傾向にあるという。2004年度の出荷金額の割合は業界全体で,2000万円以上の高・中級機種が65%,2000万円未満の普及機が35%だった。同社はこれまで高級機や中級機を中心に製品展開してきたため,業界全体よりも普及機の比率が低かった。
普及機の強化に向けて,既存の「BMシリーズ」のソフトウエアを更新して,1時間に実装できる部品点数を18%増の1万8500個とした。普及機を使う場合が多いDVDプレーヤを例に,BMシリーズと他社製品で製造コストを比較した結果も示した。それによると,部品点数が500点のDVDプレーヤをBMシリーズで製造した場合のコストが月間76万9500円に対して,他社製品では100万8250円だった。製造コストには,マウンタの価格や電気代などのランニング・コストを含んでいる。
Samsung社も初出展
このほかにPROTECでは,韓国Samsung Techwin Co.が初めて自ら出展した。「代理店を通して参加したことはあったが,独自ブースを構えるのは初めて」(同社 常務で事業部長の金成秀氏)という。中級機を中心に展開する同社は,2005年末にもいわゆる「0402部品」の実装に対応する予定で,PROTECをキッカケに日本のメーカーに売り込みをかける。