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2台のノート・パソコン間で動作を実演
2台のノート・パソコン間で動作を実演
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 米Freescale Semiconductor,Inc.と米Open Interface North America,Inc.は,物理層にUWBを利用することで最大データ伝送速度を100Mビット/秒に高めたBluetoothのシステムを試作した( ニュースリリース)。2006年に策定予定の次期仕様「Bluetooth Version 3.0」の実現を目指したもの。2005年10月5日から米カリフォルニア州サンタクララで開催中の「Wireless Connectivity America 2005」で動作の実演を行った。UWBを物理層に利用したBluetoothのシステムの伝送デモは今回が初めてということもあり,会場ブースには多数の参加者が詰め掛けた。

 物理層には,Freescale社が推進するDS-UWB方式の送受信回路を利用し,L2CAPなど通信ミドルウエアにはOpen Interface社のソフトウエアを利用する。会場では,2台のノート・パソコン間で,10MバイトのデータをUWBで伝送する実演を見せた。2台のノート・パソコンはそれぞれ,現行BluetoothとDS-UWBの送受信回路を搭載する。まず現行Bluetoothによってデバイス・ディスカバリや認証などを行なった後,お互いにDS-UWBの物理層を利用可能であることを伝え合う。その後は,伝送するファイルの容量やアプリケーション側の要求に応じて,DS-UWBと現行Bluetoothの物理層を使い分けて利用する。2つの物理層を使い分けるために,専用のソフトウエア・スタックをL2CAPの下位に設けた。Open Interface North America社によれば,「現在Bluetooth SIGで高速版Bluetoothの仕様策定作業が行われており,我々は今回試作したシステムで使ったソフトウエアや手法を提案していく」という。

 Freescale社は,今後Bluetoothの送受信回路とDS-UWBの送受信回路の一体化を進めていくという。ブース担当者によれば「今回利用したDS-UWBの送受信チップセットは最大110Mビット/秒の伝送能力がある。しかし,Bluetooth用のソフトウエアの最適化がまだ図られていないため,実効的なデータ伝送速度が低い」という。このためソフトウエアの最適化も進めていく方針だ。