コガネイ(本社東京)は,部品の搬送向けに小さく軽くしたエアハンド「ハンドボーイ」を開発し,販売を開始した(図)。剛性を保ったまま,従来のエアハンドから余分な肉厚を削った。その結果,体積を約45%,質量を約40%減らすことができた。価格は2万1000円~3万4000円(税別)。
エアハンドは先端に可動式のレバーを二つ持ち,レバーの先につまむ部品に応じたツメを取り付ける。二つのレバーが共に内側に移動することで部品を挟み,共に外側に動くことで部品を離す仕組み。レバーの駆動源は圧縮空気。電子部品を実装するマウンタなどに取り付けて使う。
レバーと本体側のレールとの間には,リニアガイドを組み込んだ。そのため,繰り返し精度は±0.01mm以下に抑えることができた。加えて,左右のレバーがかみ合う位置の精度であるセンタリング精度を±0.07mm以下に小さくすることができた。
本体をコンパクト化しながらも剛性は従来と同等に保ったため,前方に長く伸びたツメを使って部品などを挟むロングポイントグリップができる。同じく,オフセットの姿勢で部品などを把持するオーバーハンググリップにも対応する。
新しいエアハンドは大きさに応じて「NHC1D-10」「同-16」「同-20」「同-25」の4種類。同-10は高さ16×幅31×長さ35mmで質量は45g。実行把持力は挟む時に11N,開く時に17N。同-16は高さ22×幅40×長さ42mmで質量は96g。実行把持力は挟む時に35N,開く時に46N。同-20は高さ26×幅54×長さ53mmで質量は205g。実行把持力は挟む時に49N,開く時に65N。同25は高さ32×幅70×長さ65.5mmで質量は366mm。実行把持力は挟む時に86N,開く時に111N。
保証耐圧力は1.05MPaで,使用温度範囲は0~60℃。最高作動頻度は180サイクル/分。給油は不要。RoHS(電気・電子製品に対する特定有害物質の使用制限)指令に対応した。