PR
「自宅」のDVDプレーヤと「おばあちゃんの家」のテレビ受像機とを接続
「自宅」のDVDプレーヤと「おばあちゃんの家」のテレビ受像機とを接続
[画像のクリックで拡大表示]

 松下電器産業は,「CEATEC JAPAN 2005」でデジタル家電製品をIPネットワーク越しに相互接続するデモンストレーションを披露している。相互接続のためのプロトコルには,同社が開発した独自仕様「VIANA」を利用する。VIANAを使うと例えば自宅のテレビと,親戚の家のDVDプレーヤとを接続して,インターネット越しに動画を視聴できるようになるという。

 VIANAは,Ethernetポートを持つ同社製のデジタル家電をIP(internet protocol)ルータを意識せずに相互接続するプロトコル。具体的には,このプロトコルを搭載した「VIANAクライアント」機器とインターネット上にある認証および接続用の「VIANAサーバ」との間で,第2層の通信プロトコルをIPネットワークにトンネリングさせる。

 現時点でEthernetポートを持つデジタル家電製品では,IPルータ越しの通信には複雑な設定が必要になる。VIANAのシステムを利用すると,IPアドレスなどの設定を変更せずにIPルータ越えやインターネット越えが容易になる。

 第2層のプロトコルを第3層(IP層)以上のネットワークにトンネリングさせるアイデアは,筑波大学の学生で,現在ソフトイーサの代表取締役社長である登 大遊氏が開発した「SoftEther」などとほぼ同じ。ただし「VIANAは認証の後,サーバを介さないピア・ツー・ピア(P2P)通信になる点がSoftEtherと違う」(松下電器)という。

 同社 デジタルネットワーク・ソフトウェア技術担当役員の津賀一宏氏は10月5日の基調講演で,このVIANAを,同社の「どこでもドアホン」システムのインターネット越しの利用などに用いる考えを示した。どこでもドアホンは,ドアホンに映る映像を宅内のコードレス電話機などに映し出すシステムで,既に商品化済みである。