マスク技術の国際会議「25th Annual BACUS Symposium on Photomask Technology」が10月3日から米国Montereyで開かれた。超解像技術(RET:resolution enhancement technology)のセッションでは,Alternating-PSM(phase shift mask)とCPL(chrome-less phase lithography)の最適化について多く発表されたが,以前のように多様なタイプのAlt-PSMが発表されることはなく,Alt-PSMの次はCPLの実用化が有力と思われる。
光近接効果補正(OPC:optical proximity correction)については,RETに対する最適化ではなく,DFM(design for manufacturability)を意識し,データ容量の縮小化,データ変換の高速化,露光時間の短縮化などに対する発表が多く見られた。また,RETではOff-Axis Illuminationと高開口数(NA)の液浸露光を考慮した最適化も進められており,45nmノードまではこれらの技術でデバイスの量産が行なわれると思われる。
32nmノード以降で期待されるEUV(extreme ultraviolet)露光やナノインプリント技術の発表も多く見られたが,すべての面で実用化の見通しができた状況ではなく,露光技術がどうなって行くのか不透明さが残った。
なお,基調講演では,台湾Tsing Hua UniversityのC. Shih氏が,台湾,中国そして米国シリコンバレーの3地域を「Silicon Triangle」と呼び,人の交流だけではなく,技術,設備投資などあらゆる面で強力なつながりを持って半導体ビジネスで成長を続けていると述べた。また,台湾では政府の協力もあって多くの新しい会社が創設され育っており,最近ではICデザイン会社の設立が多く,中国から米国への留学生も増え,技術力も向上してきていると語った。