米Atheros Communications,Inc.や米Broadcom Corp.など27社は,次世代無線LANの早期標準化を目指し新たな団体を結成した( ニュースリリース)。名称は「EWC(Enhanced Wireless Consortium)」。米IEEEで策定中の「IEEE802.11n」の標準化作業を加速させ,対応製品の早期市場投入を目指す。
IEEE802.11nの標準化作業においては,半導体メーカーなどが中心の「WWiSE」と,機器メーカーなどが母体となる「TGn Sync」という2大グループが標準方式を巡った争いを続けている。EWCは,これら2大グループの仕様を統合することで,広範な支持を集め,結果として標準化作業の終了時期を早めたい狙い。IEEE802.11nが想定する当初の標準化終了時期は2007年以降だが,EWCではこれを2006年末までに早めたいとする。対応チップセットはこれに先立つ2006年前半にも投入したいという。
EWCにはWWiSEとTGn Syncの中心となる企業が参加している。27社は,台湾Airoha Technology Corp.,米Apple Computer,Inc.,米Atheros Communications,Inc.,米Azimuth社,米Broadcom Corp.,バッファロー,米Cisco Systems,Inc.,米Conexant Systems,Inc.,米D-Link Systems,Inc.,米Gateway,Inc.,米Intel Corp.,中国Lenovo社,米Linksys社,米LitePoint Corp.,米Marvell Semiconductor Inc.,イスラエルMetalink社,米Netgear Inc.,台湾Ralink Technology Corp.,台湾Realtek Semiconductor,Inc.,三洋電機,ソニー,米Symbol Technologies社,東芝,米USRobotics社,米WildPackets,Inc.,台湾Winbond Electronics Corp.,台湾Zydas Technology Corp.。EWCは,今後さらに加盟企業が増えると予測する。
EWCでは,4×4のMIMOなどに対応することで,最大データ伝送速度を600Mビット/秒まで高めるという。IEEE802.11a/b/gに対応し,20MHzおよび40MHzのどちらにも利用可能にするとしている。