米Apple Computer, Inc.は同社の2005年第3四半期(7月~9月,第4会計四半期)の決算を発表した。売上高,利益ともに四半期ベースで過去最高を記録し,それぞれ36億8000万米ドル,4億3000万米ドルとなった(発表資料その1)。なお,この数字は2005年9月24日締めでまとめたものである。
ただし,証券アナリストの期待は下回った。米Thomson Financial Corporate Groupによると,証券アナリストは売上高で37億4000万米ドルを期待していたようだ。このため,株価が10%ほど低下したという(発表資料その2)。
好調な決算を牽引したのは,同社の携帯型音楽プレーヤ「iPod」関連のビジネスである。iPodシリーズの製品は,今回の四半期だけで645万1000台を出荷した。これが12億1200万米ドルの売り上げになった。同社のオンライン音楽店舗「iTunes Music Store」やiPodの周辺製品などから成る「ほかの音楽製品」のカテゴリーに入っている2億6500万米ドルの売り上げを加えると,iPod関連全体の売上高は14億7700万米ドルに上る。これは,36億8000米ドルの全売上高の約40%を占める数字である。2005年第2四半期(4月~6月,第3会計四半期)のiPodシリーズ製品の出荷台数は615万5000台,売上高は11億300万米ドルだったので,比較すると,今期はiPodの出荷台数は前期比4.8%増,売上高は同9.9%増ということになる。
iPod nanoは部品不足状態
2005年9月7日に発売した「iPod nano」(Tech-On!関連記事)についても販売状況を明らかにした。発売後,17日間で100万台以上を出荷したという。同社はiPod nanoの需要について「驚異的」という言葉を使って,製造が需要に追いついていない状況を説明している。供給ピッチを上げられない原因は「部品不足」にあるという。いつになったら供給が需要に追いつくなど,さらに具体的な情報については公開しなかった。
米国では,iPod nanoの画面が傷付きやすいといったクレームが消費者から出ているとの報道が盛んだが,Apple社は「この問題はかなり限定的なもの」としている。補償のために今後支払う資金などについても影響ない範囲にとどまるという。
なお,米国時間の明日12日,Apple社は新たな発表を行う予定だ。内容はまだ明らかにしていない。今回の決算でApple社は「今までのiPod製品群の結果はかなりよかった。まだ公開していない革新的な製品ラインがあるので,これを加算すればさらに成果は上がる」というコメントを出している。従って,明日の発表は新しいiPod製品を含む可能性が高いとみられている。
■海外企業の最新の決算はこちらからご覧いただけます。 |
【訂正】当初,記事中で出荷台数や対前期比の伸び率などについて数字に誤りがございました。お詫びして訂正いたします。