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 広帯域無線技術「UWB(ultra wideband)」の日本と欧州の許容値が,3GHz~5GHzでは干渉回避技術(DAA:detect and avoid)付きで−41.3dBm/MHz以下,DAAなしで−70dBm/MHz以下になることで固まる見通しになった。世界の電波の割り当てを統括するITU-R(国際電気通信連合の無線通信標準化部門)が2005年10月12日~20日に,スイス・ジュネーブで「Task Group 1/8」の会合を開催し,UWBに関する周波数管理の枠組みや他の無線システムへの影響,UWBの測定方法などについて,ITU勧告の草案を作成したもの。2005年5月にITUが採択した暫定案に比べれば,許容値はUWBにとって大幅に緩和された格好になった(Tech-On!の関連記事)。

 同草案では出力マスク案として,日本の案が,米連邦通信委員会(FCC)や欧州CEPT(European Conference of Postal and Telecommunications Administrations)が提出した案と共に採択された。同草案は,同年10月24日~25日に開催される「Study Group(SG)1」での審議を経て,ITUの正式勧告となる見込みである。

 日本の許容値案は,総務省が2005年8月25日にUWB無線システム委員会の作業班で提案した案がベースとなっている(Tech-On!の関連記事)。具体的には,UWBの出力を,3.4GHz~4.8GHzではDAA付きで-41.3dBm/MHz以下,DAAなしでは−70dBm/MHz以下,7.25GHz~10.25GHzではDAAなしで−41.3dBm以下などとしている。

 欧州の許容値案は,DAAを使うことや許容値の設定については日本と同じである。ただし,周波数領域については日本案よりもやや緩く,DAAの有効範囲が3.1GHz~4.9GHz,6.0GHz~9.0GHzではDAAなしで-41.3dBmとなっている。FCC案は,米国で既に認可済みの許容値(−41.3dBm/MHz以下)をそのまま記述したものである。

 3案の併記となったことについては「各国がそれぞれの規制値を決める上での参考例という位置付けになる」(同会合に出席した関係者)という。ただし,「周波数管理の枠組みを定める文書だけでなく,他の無線システムへの影響を記述した文書でもこの許容値案が掲載されており,今回の案は各国の規制値策定に大きな影響を与えるだろう」(別の関係者)。

 DAAについては,米国を含む多くのUWBのLSIメーカーがベースバンドLSIに同機能を盛り込むことで動き始めている(日経エレクトロニクスの関連記事)。今回の勧告案は,ITUレベルでDAAに「お墨付き」を与えた最初の文書となる。これで,UWB対応の無線機器を実用化する動きが加速しそうだ。