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 米Apple Computer, Inc.の携帯型音楽プレーヤ(携帯オーディオ)「iPod」の売れ行きが好調だ。2005年前半に世界全体で1000万台以上を出荷し,2005年通年では約3000万台の出荷が見込まれる。携帯オーディオでは,シェア50%と完全に独り勝ちだ(関連記事:携帯オーディオ,だぶつき覚悟でAppleは“独り勝ち狙い”の強気崩さず)。2位グループの韓国Reigncom Ltd.やソニーは6~7%しかシェアがない。しかし,ここへきて伏兵が現れた。

世界出荷7億台超の携帯にオーディオ機能搭載

 日本に限らず世界各国で,2005年から携帯電話機にオーディオ機能が本格的に搭載された。携帯電話機メーカーは,ユーザー獲得のために新製品をどんどん市場に送り出している。中でも販売が好調なのが,英Sony Ericsson Mobile Communications ABだ。同社は,2005年後半だけで約600万台のオーディオ機能付携帯電話機「ウォークマン携帯」を発売する見通しだ。さらに2006年は5000万台近い台数を計画している。2005年のiPodの出荷台数を大きく上回る数字だ。

 これに対抗するかのようにApple Computer社と米Motorola Inc.が手を組み,2005年9月にMotorola社がiPod互換機能を備えた携帯電話機「ROKR」を発売したが,2005年11月時点で累計販売台数は25万台と単純計算では年間で150万台規模しかない。

 いずれにせよ世界全体で7億台以上出荷される携帯電話機にオーディオ機能が付くことで,デジタル・オーディオ機器市場に影響を及ぼしそうだ。

デジタル・カメラはカメラ付き携帯と相乗効果

 今回のオーディオ機能のように,携帯電話機がその機能を搭載するため本来の機器の市場が縮小すると懸念された製品としてデジタル・カメラが挙げられる。携帯電話機にカメラ機能が付けば,デジタル・カメラはもういらないのではと言われたほどだ。実際は,画素数や連写機能などで差別化して,デジタル・カメラの出荷台数は減らなかった(図)。むしろデジタルで手軽に写真を撮る人が増えるなど相乗効果があった。

図●デジタル・カメラとカメラ機能付き携帯電話機の生産台数の推移(2001年~2004年実績,2005年~2006年予測)

 ところが最近になって,携帯電話機のカメラ機能が進歩したことで「携帯電話機に市場を奪われ始めた」と嘆くデジタル・カメラ・メーカーが出始めた。500万画素以上の一眼レフ機であれば問題ないが,200万~300万画素クラスのデジタル・カメラは携帯電話機で十分とユーザーが思い始めたようだ。

 携帯オーディオも,音質や操作性などでしっかりと差別化しなければ,携帯電話機に市場を奪われることになるだろう。