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 デュポン(本社東京)は,芳香族ナイロン樹脂「デュポン ザイテル HTN」のハロゲンフリー難燃グレードである「NHシリーズ」を開発し,2005年12月から全世界を対象に販売を開始すると発表した。同シリーズは,電気電子部品業界が2006年の有害物使用規制に向けて対応を強化している鉛フリー/ハロゲンフリー化を念頭に,デュポンが日本で開発したもの。生産は当面,デュポンの宇都宮事業所で実施し,日本とアジアの顧客を中心に,グローバルにサンプルの提供と販売を行うとしている。併せて同社は,新規グレードの開発を進めていくとしている。

 NHシリーズは,従来の臭素化ポリスチレンの代わりに高耐熱型の新規有機りん系難燃剤を使用。それにより,ハロゲンフリーの難燃化を実現するとともに,デュポン独自の配合技術を組み合わせることで,さらなる難燃性の向上とリフロー性能の向上を図ったとしている。SMT(表面実装技術)対応のコネクタやスイッチなどの用途を意識したガラス繊維30%強化のグレードで,デポ・ガス,バリ,ウェルド強度,リフロー性能,じん性,電気特性,比重などの面でバランスのとれた性能を備えるという。

 ザイテル HTNは,ナイロンの一種であるPPA(ポリフタルアミド)樹脂。高温多湿で化学薬品にさらされるような過酷な条件下でも強度,硬さ,耐久性,寸法安定性に優れているという。デュポンは,金属や熱硬化樹脂の代替材料として適用が広がる可能性があるとしている。