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 長瀬産業は,ハード・ディスク装置(HDD)を記録媒体に用いる携帯型音楽プレーヤの新製品として,パソコンを使わずに曲の取り込みから曲情報の表示まで行える「TRANSGEAR HMP-100」を発売する(PDF形式の発表資料1)香港Perception Digital Ltd.が設計と製造を手掛けた。

 これまでにも他社から「PCレス」をうたう携帯型音楽プレーヤが発売されてきたが,従来品と異なるのは,MD(ミニディスク)に保存された楽曲を転送した場合でも曲名やアーティスト名が表示される点だ。TRANSGEAR HMP-100には,メロディーの波形の一部を記号化した楽曲認識用のデータと曲名やアーティスト名などの楽曲情報を格納したデータベースを350万曲分,内蔵している。MDプレーヤから取り込んだ楽曲は,このデータベース内のデータと照合することで,楽曲情報を付加することができる。

 「MusicID」と呼ぶこのデータベースは,CDに収められた曲名リストやアーティスト名などを提供するデータベース「CDDB」で知られる米Gracenote, Inc.が開発したもの(Tech-On!関連記事)。2005年10月までの楽曲データが収められている。10月以降の新譜の照合は,本体と携帯電話機をUSBケーブルで接続し,携帯電話のパケット通信を使って,Gracenote社がインターネット上に持つ約4000万曲のデータベースにアクセスすることで可能という。長瀬産業は,この技術を「MagicSync」と呼び,MusicIDと合わせて,オーディオ・メーカー向けにライセンス供与も行っていくとしている(PDF形式の発表資料2)

 長瀬産業の平塚浩氏(新規事業開発室トランステクノロジー課統括次長)は,「当社の調べによれば,現在,MDプレーヤを使っている人の約7割はパソコンを持っていない。こうしたユーザーが,パソコンがなければ使えないようなフラッシュ・メモリやHDDタイプに乗り換えるのは困難だ。PCレスをうたう機種であっても,MDプレーヤから転送した楽曲が『Unknown』『No Artist』などと表示されるのでは管理しづらい。PCレスで本当に使える携帯型音楽プレーヤを,当社が世界で初めて実現したと自負している」と語る。

 TRANSGEAR HMP-100には6Gバイトの1インチ型HDDを内蔵したが,このうち約700MバイトはMusicIDが占めるため,実際に楽曲を保存するために使える容量は5Gバイト強になる。対応フォーマットはMP3,WMA,WAV。1.8インチ型のグレースケール液晶パネルを搭載する。大きさは98mm×60mm×14.5mm,重さは98gである。長瀬産業が運営するWWWサイト「DVDirect」を通じてのみ販売する。DVDirectにおける予価は2万4900円(税込み)。発売10カ月で5万~6万台の売り上げを見込む。