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図1 加熱によって形状が戻ったワッシャー(左)と加熱前のワッシャー(右)
図1 加熱によって形状が戻ったワッシャー(左)と加熱前のワッシャー(右)
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図2 加熱により解体が容易に
図2 加熱により解体が容易に
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 東海大学は,NECトーキンとシャープ,ユニオン精密の3社と共同で,加熱によって締結力が弱まるネジを開発した(図1)。形状記憶合金を使用し,約+90℃で加熱するとワッシャーが変形する。これによりネジ留めしている個所を外せる仕組みだ(図2)。ただし,ネジ穴の径はネジ径より大きくする必要がある。「廃棄家電の資源をリサイクルする際に直面するのが解体のしにくさ。ネジをドライバなどで1つひとつ,外さなければいけない。簡単な解体技術の確立が望まれている」(東海大学 工学部精密工学科 主任教授の吉田一也氏)。

 今回開発した技術の特徴は形状記憶合金が+90℃で形状を変化させる点にある。吉田氏によると,エレクトロニクス機器に使うには,+90℃あたりがちょうどいい温度という。例えば,形状変化が起きる温度が高すぎると解体時に多くの熱エネルギーが必要になるため,コスト増になってしまう。逆に温度が低すぎても自動車のように温度が高くなりやすい環境下に置き忘れた場合にネジが緩んでしまう恐れがある。
 
 課題はコストである。形状記憶合金を利用した今回のネジはワッシャーを含めて約6円と,従来品の約4倍の価格になるという。機器メーカーからは現状のネジと同程度にしてほしいとの要望が来ているとする。コスト増の要因はワッシャーに使う形状記憶合金にある。部品コストで2円,加工賃で2円~3円ほどになるという。機器メーカーの要求に応えるため,今後低コスト化にも取り組むとする。