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IEEEマイルストーンの贈呈式
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今回認定された電卓
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 シャープが1964~1973年にかけて商品化した電子式卓上計算機(電卓)が,「IEEEマイルストーン」に認定された。IEEEマイルストーンは,IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)が電気・電子技術に対して歴史的・社会的な価値を認定する制度で,25年以上の長期に渡り,世の中の評価に耐えられたものだけを対象としている。

 これまでにIEEEマイルストーンに認定された例としては,ベンジャミン・フランクリンの業績,フレミングの二極管,電子計算機「ENIAC」など,2005年8月時点で65件ある。今回のシャープの電卓が66件目になる。なお,オーストラリア,ニュージーランド,アジアから成る「Region 10」と呼ぶ地域では,八木アンテナ,富士山頂の気象レーダー,東海道新幹線,クォーツ時計に次ぐ5件目の認定となる。

 今回IEEEマイルストーンに認定された電卓は4機種ある。(1)1964年に商品化された世界初の全トランジスタ式電卓「CS-10A」,(2)1967年に商品化された世界初のIC電卓「CS-16A」,1969年に商品化された世界初のLSI電卓「QT-8D」,1973年に商品化した世界初の液晶デバイスとCMOS-LSIを使った電卓「EL-805」である。

 12月1日に東京都内で開かれたIEEEマイルストーンの贈呈式では,シャープ社長の町田勝彦氏が電卓のデバイス産業への影響に触れ,特に半導体や液晶,太陽電池の産業発展を大きくけん引したと述べた。また,電卓で培った無形資産として次の三つを上げた。(a)今まで存在しなかったものを生み出す創意の遺伝子,(2)キーデバイスを核に新商品を生み出す「スパイラル・モデル」,(3)“電卓戦争”を勝ち抜いた勇気と知恵,である(リリース)。詳細は日経マイクロデバイス2006年1月号に掲載予定。