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NTTドコモ公式サイトの「まるごとステーション」
NTTドコモ公式サイトの「まるごとステーション」
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ハイブリッド放送のスキーム。共同で設立したLLPが番組制作,権利処理を行う
ハイブリッド放送のスキーム。共同で設立したLLPが番組制作,権利処理を行う
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 文化放送とフロントメディアは,ケータイによるオンデマンド配信とラジオ放送で利用する番組を共同で制作することを目的にした「ケータイ・ラジオハイブリッド放送有限責任事業組合(LLP)」を設立した。この組合で制作した番組は,文化放送が地上波で「まるごとステーション」という名称の30分枠の番組として放送するとともに, NTTドコモの公式サイト「まるごとステーション」(12月5日に開始)でフロントメディアが無料配信する。ラジオ番組の無料配信を「ダウンロード型放送」とし,ケータイとラジオで同一番組を提供するこのサービスを「ハイブリッド放送」と名づけた。配信対象となるのはFOMA900,901シリーズの全機種である。番組で流れた曲は有料ダウンロードも可能で,1曲315円とする。

 LLPでは,番組制作に加えて,レコード会社からの原盤使用の許諾を取得するといった役割も担う。制作する番組は,毎週火曜日の午後9時から9時半に放送される。この30分枠の中に,5分番組を複数本放送する。ケータイ配信では,この5分番組を放送と同時に1本づつ配信する。ケータイ配信は,放送が始まってから次の放送が始まるまでの1週間,同じ番組がダウンロードできる。いったんダウンロードした番組は3日間聴取できるが,その期間を超えると消去される。番組の利用期間を制限する技術を採用したことが,大手のレコード会社から原盤使用許諾を得る武器となり,音楽中心の番組のケータイ配信につながったという。

 文化放送 取締役編成局長の川津孝雄氏は,今回の提携に踏み切った理由として5項目を挙げた。(1)ラジオ番組がリーチできる視聴者の拡大,(2)地上デジタル・ラジオ放送との連動,(3)NTTドコモの音楽配信サイトに参画できる,(4)新ダウンロード方式対応で権利者との折衝が容易になる,(5)新たな収入源としての期待,である。

 ダウンロードした番組を再生/早送りする様子のデモのあと,マイクを握った文化放送 編成局 選任部長の出川有氏は,「早送りはかなわんというのが,我々の感覚だった」とした上で,「失恋したての女子高生に対して,これまではあなたに向けた番組は深夜まで待ってという番組提供スタイルしかなかった。これが変わる」と新しいメディアへの期待を表現した。