日本精工は,半導体ウエハ搬送ロボット向けの軸受「真空クリーン環境用高清浄度軸受」を開発,アンギュラ玉軸受と4点接触玉軸受,ラジアル玉軸受の3種類を2006年4月に発売する。同社は2004年,従来製品よりアウトガスと発塵が少なく,潤滑油の耐久性が高い軸受「真空クリーン環境用Nシリーズ薄肉軸受」を発売していたが,今回はさらにアウトガスを抑制し,耐久性も高めた。
アウトガスの発生原因としてはまず,有機溶剤による洗浄では落としきれない軸受表面の残留油分や,パッケージに残った滑材など有機物が挙げられる。さらに,潤滑剤からのアウトガスもある。
そこで新製品では,(1)溶解力の強い超純水による精密な洗浄 (2)新たなパッケージの開発 (3)ボール軌道面に低蒸気圧の炭化水素油焼き付け膜を処理する「E-DFO」の採用----といった対策を取った。この結果,軸受に付着する残留有機物は従来の約1/5になり,それに伴ってアウトガスは1/5に,耐久性は5倍になった。
同社はこの軸受を,2005年12月7~9日に開催する「セミコンジャパン2005」(千葉・幕張メッセ)に出展する。