CS(顧客満足度)に関する調査会社であるJ.D.パワー アジア・パシフィックは、ディーラーから見た自動車メーカーに対する満足度を調査した「2005 年日本自動車ディーラー満足度調査(DAS)」の結果を発表した。メーカー別ランキングは、トヨタ自動車がトップとなった(図1)。トヨタは、同調査を開始した1995年から11年連続で首位を維持している。
ドイツBMW社が2位にランクインした。同社は今回初めて調査対象となったが、2004年の調査では少数サンプルながら高い満足度を示していた。3位はホンダ、マツダ、フォルクスワーゲンが同スコアで並んだ。
調査では、現在および将来における自社の収益性について「満足」「やや満足」と答えたディーラーの割合は39%で、2004年より6ポイント改善した。過去10年間で2番目に高い水準まで回復し、業界全体の現時点での景況感は持ち直しているといえる(図2)。
しかし、取り扱いメーカー別に見ると違いが出ている(図3)。収益性に対して「満足」「やや満足」としたディーラーは、現在・将来ともにトヨタが最も高い。また、マツダが近年急激に改善し、現在の収益性に対して2002年には満足している割合が8%だったが、今回の調査で49%まで向上した。一方、急激に落ち込んだのは日産自動車で、現在の収益性が2002年の47%から13%に、将来の収益性が59%から25%まで低下した。
ディーラーは、新車販売が落ち込む中、サービス業務を拡充する傾向が強まっている。サービス業務の車検については、トヨタでクイック車検の導入が進み、ホンダではサービス設備の拡充に力を入れている。軽整備・軽補修サービス、板金・塗装の内製化については、トヨタで熟練工などの人員増強や設備投資を積極的に実施している。サービス業務を重視する傾向は強いものの、サービスの収益性向上に向けた施策の実施状況はメーカーによって異なることが明らかになった。