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披露した試作品
披露した試作品
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 三洋電機は,2005年12月6日~9日に開催されたディスプレイ関連の学会「IDW/AD’05」で,発光ダイオード(LED)を光源に利用した小型の前面投射型プロジェクタを披露した。大きさは980ccで,長辺は鉛筆の長さほど(図1)。色再現範囲はNTSC規格比100%以上と広い。

 表示素子には,1.5インチ型でカラー・フィルタ付きの透過型液晶パネルを1枚採用した。デルタ配列のパネルで,画素数は11万である。これまでもLED光源を利用したプロジェクタの試作品は,複数のメーカーが披露しているが,いずれもDMDを用いていた(Tech−On!関連記事)。三洋電機は「より小型で軽量なプロジェクタを実現するには,DMDよりも単板の透過型液晶のほうが有利」(同社)との判断から,透過型液晶を採用したとする。ただし,単板の透過型液晶の方式は輝度を高めにくいという課題があり,今後の改善課題とした。今回披露した試作品の明るさは12lm。LEDはR(赤色),G(緑色),B(青色)をそれぞれ2個ずつ利用しており,消費電力は18Wである。

 このプロジェクタは研究発表の段階であり,実用化は未定いう。